洗濯機の購入からある程度の年月が経過すると、最近調子が悪いと感じる瞬間があるかもしれません。故障や不具合の可能性もありますが、一定の時間が経過している場合は寿命の可能性もあります。とはいえ、洗濯機を購入するとどのくらい使い続けられるものなのか、疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、洗濯機の平均寿命や故障が疑われるサイン、長持ちさせるコツ、処分方法、選び方などについて解説します。
洗濯機の平均使用年数は、「消費動向調査 2023年3月 内閣府調べ」では約10年とされています。
ただし、洗濯機やエアコンなど経年劣化による事故が多い製品については、長期使用製品安全表示制度に基づいて「標準使用期間」を定めることが義務付けられています。これは、メーカーがその製品について設計上の使用期間を定めるもので、JIS規格で設定された試験条件を元に決められています。
そのため、洗濯機の寿命は一概に何年ですと明示することはできませんが、この標準使用期間がひとつの目安となります。
明らかな故障や不具合がなくとも、定められた標準使用期間を超えて使用し続けると、事故が起こりやすくなる可能性があるため注意が必要です。ご使用の洗濯機の標準使用期間については各メーカーにお問い合わせください。
洗濯機の寿命を知らせるサインはいくつかあります。最近洗濯機の調子がおかしいと感じているのであれば、次の8つのサインに思い当たる点がないかどうか確認してみましょう。
洗濯機の作動中に突然エラー表示とともに停止することが増えてきたら、寿命が近づいている可能性があります。
ただし、すすぎの際の給水や脱水する際の排水がうまくいかなかったり、洗濯槽の中の洗濯物が一部分に固まっていたりするとエラーになる場合もあるため、まずは何が原因で停止したのか確かめましょう。
洗濯物の偏りを直したり、電源を一旦オフにして再度オンにしたりすると状態が改善する可能性があります。
液晶画面やランプによってエラー状態を表す洗濯機の場合、取扱説明書を確認し、問題に応じて対処してください。
特に異常が見られないのに何度もエラー音を鳴らして動作が止まるときは、洗濯機に組み込まれているコンピューターの故障も考えられるため、メーカーへの問い合わせや、寿命を考慮してみてもよいかもしれません。
洗濯機は脱水などの最中にある程度大きな音を立てるものですが、通常考えられる範囲を超えて大きな音がするようになったときはモーターなどにトラブルが起こっているかもしれません。
異音があってもすぐに使えなくなるかは判断できませんが、様子を見ながら使っているうちに突然動作が停止する可能性もあるでしょう。
修理用の部品があれば修理で対応できますが、購入から一定の期間が経過している場合には寿命を迎えたと考えて買い替えを検討するのも選択肢のひとつです。
寿命以外の要因としては、洗濯機を設置している場所が不安定でガタガタと異音がしている可能性もあります。傾きがなく水平な状態になっているかを確かめましょう。
すすぎまでの工程には問題がないのに脱水に失敗するときは、まず排水周りに問題がないかチェックしましょう。
排水ホースが外れていたり、排水口に汚れが溜まってうまく排水できていなかったりする場合は、ホースをセットし直すか排水口を掃除して様子を見ます。
蓋が完全に閉まっていないときも脱水に移る前にエラーで停止する可能性があります。
他にも洗濯槽の中の洗濯物が一部に偏っていたり、洗濯機が水平に設置されていなかったりするなどの原因が考えられます。
すべての原因を取り除いても脱水がうまくいかないのであれば、脱水にかかわるモーターが故障して洗濯機が寿命を迎えている可能性があります。
モーターは洗濯機の中でも特に酷使する部分なので、劣化が生じやすくなります。修理対応が難しい場合は、買い替えも検討しましょう。
洗濯機から水漏れしている場合も、寿命の可能性があります。
給水ホースや排水ホースの劣化や緩みが原因であれば、新しいものと交換したり接続し直したりすると事態が改善する可能性があります。ただし、水漏れの原因が洗濯槽の故障であれば寿命が考えられます。
ホース周りに異常が見られないようなら、洗濯機本体の底から水が漏れた形跡がないか確認してみましょう。
底部分が壊れている場合には、故障とみなして修理や買い替えが必要です。洗濯機本体は非常に重さがあります。無理に傾けず見える範囲で確認をしてください。
なお、洗濯機の水漏れについて以下の記事でもご紹介しています。ぜひご覧ください。
洗濯機から水漏れ!慌てないために押さえておきたい主な原因と対処法
洗濯機の内部にカビが発生していると、異臭が気になる場合があります。表面上の汚れが原因であれば丁寧に清掃することで状況を改善できますが、洗濯機の奥深くまでカビが入りこんでいると根絶は難しいでしょう。
洗濯槽クリーナーなどで洗濯槽内の掃除ができますが、カビが奥深くまで根を張っているとプロの業者でも完全には対応できないケースもあります。衛生的にもよい状況とはいえないため、寿命と捉えて買い替えることも検討しましょう。
乾燥機能が十分に働かない場合は、乾燥フィルターが汚れていないか確認し、必要であればメンテナンスを行いましょう。
また、乾燥容量以上の洗濯物を入れていないかなど正しい取り扱い状態かも確認することが大切です。
使い方も正しく、きれいに掃除をしても十分に乾燥できないときは故障している可能性があるため、メーカーや業者に点検を依頼して原因を突き止める必要があります。
コンセントプラグやコードが高温になっている場合は、出火の原因になり危険なためすぐに使用を停止して専門業者に相談することが大切です。
配線の故障などさまざまな原因が考えられますが、寿命なのかどうかその場で自己判断することは難しいので、専門業者の判断を仰いで修理か買い替えか決めることをおすすめします。
コンセントプラグが接続されていても電源が入らないときは、故障や寿命が考えられます。
コンピューターの誤動作が原因の場合もあるため、まずは一度コンセントからプラグを抜き、その後差し込んでみてください。仮に、それでも電源が入らないようであれば故障と考え、メーカーサポートへの問い合わせや買い替えを検討しましょう。
なお、洗濯機の故障について以下の記事でも説明しています。ぜひご覧ください。
洗濯機が故障したときの原因や対処法を徹底解説
前項で寿命を知らせる代表的なサインを8つご紹介しましたが、他にも不具合を知らせるサインというものはいくつかあります。ただし、すべてが寿命と言い切れない場合もあり、注意が必要です。以下のサインの場合は、寿命ではない可能性もありますので、参考にしてみてください。
洗濯中の異音は寿命のサインの場合が多いですが、脱水のときだけ異音がするのであれば、その原因は「洗濯機本体が水平に保たれていない」ことが考えられます。
たとえば洗濯物を詰め込みすぎているときや、大きな洗濯物を入れているときに洗濯機本体のバランスが崩れることがあります。そのため、もし脱水のときだけ異音がするのであれば、洗濯物の量を減らしたり、大きな洗濯物は大型洗濯機があるコインラインドリーで洗うなどで対処することをおすすめします。
このほか、脱水時に異音がする原因には「洗濯槽の吊り棒の破損」も挙げられます。
吊り棒が破損すると洗濯槽のバランスが乱れ、異音につながることがあります。吊り棒を交換すると改善される場合があるため、専門業者に依頼することをおすすめします。
洗濯機本体からの水漏れは寿命の場合もありますが、給水ホース・排水口から水漏れしている場合は、ホースがしっかり差し込まれていなかったり汚れが詰まっていたりするだけの可能性があります。また、給水ホースに穴が開いている場合もそこから水が漏れてしまうため、まずはホースに異常がないか確認しましょう。
排水口から水が逆流してくる場合は、汚れの詰まりが原因だと考えられます。洗濯機の寿命と決める前に、給水ホースと排水口を掃除して対処してみましょう。
給水速度が遅い場合は、給水弁のフィルターが汚れていることが原因の可能性もあります。フィルターを掃除し、詰まりを取り除くようにしましょう。
それでも給水速度が遅い場合は、水道栓のゴムパッキンが劣化している可能性があるため、交換して対処しましょう。
洗濯機には寿命の目安がありますが、使い方次第で長く使える可能性は高まります。次の7つのポイントを意識して使用しましょう。
洗濯槽に洗濯物を詰め込みすぎると、洗濯機への負担が大きくなります。
取扱説明書などに記載されている容量を目安にして、規定量以上の洗濯物を入れずに使用することが大切です。容量を超えそうな場合は2回以上に分けて洗いましょう。
洗剤は量を多くするほど洗浄力が上がるわけではありません。洗剤を入れすぎると洗濯槽に溶け残ってカビの原因になったり、汚れの落ち方が悪くなったりするため、適量を守って使用しましょう。
洗濯機をこまめにメンテナンスすると、汚れが原因となる部品の経年劣化を防いで故障の原因を減らせます。
洗剤を投入する部分や洗濯槽、洗濯機の外装、排水フィルターなど、隅々まできれいにすることで洗濯機は長持ちしやすくなります。
洗濯機の給水口の元栓は洗濯後に毎回閉めることをおすすめします。元栓が開いた状態で放置すると給水ホースや接続部、洗濯機に負荷がかかりやすくなり、部品の故障が早まる可能性があるからです。
水漏れを引き起こす原因にもなるため、洗濯後は毎回元栓を閉めるように心がけましょう。
パルセーター(洗濯槽の回転羽根)に異物が挟まった場合、洗濯機が正常に作動しなくなり故障する恐れがあります。そのため、洗濯物を洗濯槽に入れる際は、必ず小銭やティッシュなど洗濯物以外が混ざっていないか確認するようにしましょう。
洗濯機を外に置くと、日光や雨風などにより部品が劣化する可能性があります。また、洗濯機の内部基盤に水が侵入した場合は故障する恐れもあるため、外に設置する際は専用カバーをかけて保護することが大切です。
引っ越しなどで洗濯機を移動する際は、縦向きのまま運びましょう。洗濯機を横にして運ぶと、吊り棒によって吊り下げられた洗濯槽が揺れ、傷ついてしまう可能性があります。故障につながることも考えられるため、洗濯機は縦にした状態で運ぶようにしましょう。
なお、ドラム式洗濯機には、運搬時にドラムが動かないようにするためのネジが付いています。そのため、引越し前にネジを強めにしっかりと締めておきましょう。
洗濯機は、家電リサイクル法に則って適切に処分しなければなりません。そこで以下では、寿命を迎えた洗濯機の処分方法をご紹介します。
洗濯機を買い替える際、購入先のお店によっては下取りを実施している場合がありますので、活用することをおすすめします。古い洗濯機を処分しつつ新しい製品を値引き価格で購入できるため、お得な処分方法といえるでしょう。
ただし、お店によっては寿命を迎えた洗濯機が下取り対象外のこともあります。その場合はリサイクル料金と運搬料を支払えば引き取ってもらえる可能性もあるため、まずはお店に確認してみましょう。
ジャパネットたかたでは洗濯機の下取りも行っています。ぜひご覧ください。
「洗濯機 下取り」で商品を探す洗濯機の販売店は、家電リサイクル法により、回収の義務が定められているため、寿命を迎えた洗濯機を引き取ってもらうことが可能です。
ただし、洗濯機を引き取ってもらうにはリサイクル料金と運搬料を支払う必要があります。費用はお店によって異なるため、問い合わせて確認しておくとよいでしょう。
洗濯機は、一般財団法人 家電製品協会指定の引取場所に持ち込んで処分することも可能です。
この場合は、家電製品協会のホームページ等で引き取り場所の確認をし、郵便局にて家電リサイクル券を購入した後、洗濯機に貼付します。指定の場所にリサイクル券を貼付した洗濯機を持ち込み完了です。
修理をすれば再販可能な洗濯機であれば、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性もあります。この場合、リサイクル料金を支払わなくてよいため、お得に処分することができるでしょう。
なお、洗濯機の処分方法は以下の記事でもご紹介しています。ぜひご参考にしてください。
洗濯機の6つの処分方法と新しく買い替える際の選び方
洗濯機を買い替える際は、自分のライフスタイルに合った製品を選びたいものです。そこで以下では、洗濯機の選び方をご紹介します。
洗濯機のタイプは、主に「縦型」「ドラム式」「二槽式」の3種類です。
縦型洗濯機は、たっぷりの水でしっかりと洗浄力できるのが特徴です。パルセーターで渦巻き状の水流を起こし、汚れを落とします。ドラム式洗濯機に比べてサイズは小さめな製品も多くあるので、設置場所に比較的困らないという魅力もあります。
ドラム式洗濯機は、洗濯物を持ち上げて落とす「叩き洗い」を行うのが特徴です。少ない水で洗濯できるため節水効果が期待できます。
さらに、ドラム式洗濯機では乾燥を行う際にも洗濯物が持ち上がります。これにより空気が洗濯槽全体に行き渡るため、洗濯物が比較的早く乾きます。
二槽式洗濯機は、「洗濯・すすぎ」と「脱水」で洗濯槽が分かれている洗濯機です。洗濯槽が小さいためモーターの回転が伝わりやすく、水のパワフルな力によって汚れが落ちやすいのが特徴です。
洗濯機の容量は、家族の人数やライフスタイルを考慮して選ぶことが大切です。
1人あたりの1日の洗濯物量は約1.5kgといわれており、仮に3人家族で毎日洗濯をする場合は約4.5kgの容量が必要です。ただし、数日分の洗濯物をまとめて洗う場合は、それよりも大きい容量が必要になるため、まとめ洗いが多いご家庭では、大きめの洗濯機を選ぶのもおすすめです。
洗濯機を選ぶ際は、機能にも着目しましょう。
洗剤・柔軟剤自動投入機能とは、洗濯機本体の専用タンクに洗剤・柔軟剤を入れておくことで、自動的に必要量を計量し投入してくれる機能のことです。洗濯するたびに洗剤・柔軟剤を計量する必要がない上に、入れすぎを防ぐことができます。
洗濯機で洗濯物を乾燥させたい場合は、乾燥機能の有無もチェックしましょう。乾燥機能が付いていれば、洗濯物を干す時間を短縮することができます。
洗濯機の選び方は以下の記事でも紹介しています。参考にしてみてください。
おすすめの洗濯機をご紹介!ドラム式や縦型など自分に合った洗濯機の選び方も併せて解説
洗濯機はいつ買い替えても同じだと思われがちですが、おすすめの時期があります。安く買い替えるためにも、2つの時期を覚えておきましょう。
新商品が発売される前は、すでに販売されている洗濯機が安くなりやすい時期のひとつです。この時期よりも少し前に購入を検討すると安く買える可能性が高いといえます。
新年度の準備をする方が多い3月頃も、洗濯機が安くなりやすい時期です。新生活が始まる人向けのキャンペーンやセールが行われやすいことが安く購入できる理由といえるでしょう。
また、家電量販店のオープン記念セールや閉店セール、夏期賞与と冬期賞与が支給される時期、毎月末なども比較的安く購入できるといわれています。
洗濯機は前述のとおり平均使用年数は約10年ですが、時間の経過とともに部品が劣化して、やがて寿命を迎えることになります。
今回ご紹介したような症状に当てはまる場合は、修理や買い替えを積極的に検討してください。
もし洗濯機を買い替えるなら、購入のタイミングは新製品が発売される少し前や年度の切り替え時期がおすすめです。ベストなタイミングを見計らえば、洗濯機をお得に買い替えられる可能性が高まるでしょう。
このほか、買い替えを検討される場合は、下取りのあるお店を選ぶのがおすすめです。下取りなら古い洗濯機を処分できるだけでなく、新しく購入する洗濯機の代金から一定金額を割引するなどのサービスを受けられる場合もあります。
ジャパネットたかたでも洗濯機の下取りを行っています。ぜひこの機会にご検討ください。
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