食料品を買うときは、多くの人が賞味期限や消費期限をチェックされていると思います。でも、テレビなどの家電を購入する際に、耐用年数まで意識される方はそんなに多くないのではないでしょうか。これはメーカー各社の研究・開発と技術力への信頼感が理由のひとつにあるのだと思います。そのため振り返れば、テレビを買ったのは十数年前だったということもありますよね。そんな家電の代表格といえばテレビですが、毎日のように使い続けるものだけに、いつしか調子が悪くなることは当然ながらあります。操作不良などが立て続けに起きる場合は、寿命が近づいているサインかもしれません。そこで今回は、テレビの種類別の平均的な耐用年数や、寿命が近づいている際に現れるいくつかの特有の症例に触れながら、買い替えに適したタイミングなどについてご紹介します。また、寿命が訪れたテレビの処分方法についてもまとめているので、ぜひご参考にしてください。
さまざまな種類があるテレビですが、その寿命は種類によって大きく異なります。また、使用時間や、使い方によっても寿命は変わるため、「テレビの寿命は◯年」と断言することはできません。
ただし、テレビの買い替え周期は約10年※と言われています。(※消費動向調査 2023年3月 内閣府調べ)
とはいえ、これはあくまで目安。「買い替え周期=平均寿命」とはいえないので、あくまでも参考程度に留めておいてください。
寿命が迫っているテレビには、次の7つの症状が現れる可能性が高くあります。これらの症状が確認できる場合は、寿命を疑いましょう。
液晶テレビには画面の明るさのために、背面にバックライトという専用の部品が搭載されています。液晶テレビの寿命が迫る時期まで使い続けると、このバックライトが経年劣化し、購入当時の明るさを維持できなかったり、明るさにムラがでるようになったりします。
「最近テレビが暗く感じるようになった」「明度を上げても十分に明るさを確保できなくなった」という症状がみられるときは、このバックライトに寿命が近づいている可能性があります。
画面に線が入って映像が乱れる場合も、寿命のサインである可能性があります。この場合は液晶パネルや内部の電子回路が故障して、映像を正しく映し出せなくなったと考えられます。
購入からそれほど年数が経過していないのであれば、単純に不具合で故障していることもあります。しかし、買い替え周期に近い年数を使い続けたテレビの場合には、経年劣化や寿命を疑う必要があります。
起こりがちな症状のひとつに「画面が映らなくなる」というものがあります。この現象の原因はさまざまですが、液晶の場合は、「実際は画面に表示されているけれど、バックライトの故障によって、画面が暗い状態なために見えていないだけ」ということがあります。
しかし、購入してから間もないのに「電源は入っていて音声は流れているのに映像だけが映らない」という場合は、初期不良の可能性もあるので注意してください。
画面が映らなくなった場合、修理で対応できることがあるものの、使用年数がだいぶ経過しているものであれば、寿命と判断して新しいテレビへの買い替えも検討しましょう。
このほか、テレビ本体ではなくアンテナの寿命により、画面が映らなくなるケースもあります。この場合は、画面に「E201」「E202」などのエラーメッセージが表示されることがほとんどです。もしこれらのエラーが表示されたら、アンテナに問題がないか確認しましょう。
アンテナに問題があった場合は、向きを変えたり、取り替えたりする必要があります。専門的な知識が必要になるため、自力で対応しようとはせずに、近くの電気店やアンテナ設置業者などに問い合わせるようにしましょう。
以下の記事でもテレビが映らない原因と今すぐできる対策を解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
テレビが映らない原因と対処法は?長持ちさせるコツも解説!
もしかして故障?テレビが映らない原因と今すぐできる対策を解説
音が割れたりノイズが混じったりする場合は、スピーカーに不具合が起きているかもしれません。
ただし、スピーカー周辺に置いてある物が影響して、音割れやノイズが生じているケースもあります。一度、テレビのスピーカー周辺の物を避けて、それで症状が改善されるかを確かめてみましょう。周囲を整理整頓しても症状が改善されないのであれば、故障の可能性があります。取扱説明書の確認やメーカーサポートへの連絡、さらには修理や買い替えを検討する必要があります。
画面は映っているけれど、音声が出ない場合も、寿命が迫っていると考えられます。
音声が出ないときは、テレビ内部の回路や基盤に不具合が起こっている可能性があります。買い替え周期に近い年数だけテレビを使用してきたのであれば、寿命を疑いましょう。
リモコンで電源をオンにすると焦げたようなにおいがする場合は、発火の可能性があります。危険なのですぐに使用を中断して電源を切り、コンセントからプラグを抜いて通電しない状態にしてください。安全を確保したら早急にメーカーサポートに連絡し、点検を行うことが重要です。
万が一の事態を想定して、周囲に置いている物は片付けておくことをおすすめします。
そもそも電源が入らない!こんな場合も寿命が迫っていると考えられます。
ただし、この場合はリモコンに問題が起きている可能性もゼロではありません。そのため、まずはテレビ本体の主電源ボタンを押して、それでも電源が入らないか確認するようにしましょう。
主電源ボタンでも電源が入らない場合は寿命の可能性が高いため、買い替えを検討しましょう。
テレビの寿命サインが出たときは、次の2つの対処法を試してみましょう。
電源が入らなかったり、映像に不調がみられたりする場合は、一度電源を切ります。少し時間を置いてから電源を入れ直して動作を確認しましょう。
これはリモコンを使わずに、電源プラグを抜き差しする方法でも代替できます。各メーカーの取扱説明書に書かれている故障が疑わしいときの対処法を参考にすることをおすすめします。
それでも状況が改善しない場合は、具体的な症状を書き留めてメーカーサポートへ相談し、修理して継続して使用するのか、それとも買い替えるのかを判断します。メーカーサポートに連絡する際には、なるべく状況を詳細に伝えることができると、メーカーサポート側も判断しやすく、対応もスムーズに進むことでしょう。
一般的にテレビは購入から1年程度の期間は無償修理保証が付いています。無償修理保証の期間内なら、不具合や故障が起きたときは、費用がかからずに修理を受けることが可能です。
しかし、無償修理保証の期間を過ぎている場合や、故障の原因が故意によるものだと判断される場合には保証は適用外になるので、保証書の利用が可能かどうかを購入したお店やメーカーに確認しましょう。
無償修理保証は、購入時に任意で保証期間を延長できたり、無償修理保証の適用範囲を拡大できたりするといったオプションも用意されていることが多いので、安心を担保したい場合は加入しておくのも選択肢のひとつです。
テレビの寿命を延ばすには、日頃から使い方やお手入れに気を配ることが大切です。次の6つのポイントを意識して、少しでも長く使い続けられる環境を整えましょう。
家電製品はホコリが苦手。そのため、こまめな掃除を心がけることが大切です。
ホコリがテレビの内部に侵入したり、排気の穴を塞いだりすると、排熱が上手くできなくなり、熱による故障を引き起こしやすくなってしまいます。
テレビは静電気が生じることからホコリを寄せ付けやすいので、普段の掃除の際にテレビも掃除するようにしましょう。
テレビはホコリが溜まりやすく、部屋の環境によっては1日で薄くホコリが付くこともあります。そのため、表面のホコリを軽く拭き取る程度の掃除なら、数日に1回を目安に行いましょう。日頃からこまめにホコリを拭き取れば、テレビの内部にホコリが入り込むリスクを下げられます。
テレビを硬い布で拭いたり、強くこすったりすると、表面を傷付ける可能性があります。掃除をする際は柔らかい布で乾拭きするようにしましょう。
また、お手入れする前に必ず電源プラグをコンセントから抜き、安全を確保することをお忘れなく!
なお、テレビによってはお手入れ方法が異なるので、製品の取扱説明書に記載された方法に従って行ってください。
直射日光が当たる場所にテレビを設置すると、内部の温度が上がりやすいため、日陰に設置したものより故障が起きやすくなります。
テレビの設置には、できるだけ日差しを避けるか、直射日光が当たる時間帯ならカーテンを閉めて遮光するなど工夫し、必要以上にテレビが熱を持たないようにしましょう。
浴室などで使える防水タイプのテレビを除けば、ほとんどのテレビは水分や湿気を苦手としています。そのため、湿度が高い場所に設置すると故障しやすくなる可能性があります。
特に窓の近くは、雨や結露の水分の入り込みによって、湿度が高くなりやすい場所になります。このため窓の近くをはじめ、湿度が高い場所にテレビを設置しないことも、テレビの耐用年数を延ばすポイントになります。
段差がある場所や斜めになっている場所、簡易ボードの上などのような不安定な場所には、テレビを設置するのは避けましょう。これらの場所にテレビを置くと、地震などの振動で落ちたり、ぶつかって倒れたりする可能性があるからです。さらに、転倒や衝突によってパネルや内部の基盤が破損し、テレビが故障するケースも考えられます。
こうしたことから生活動線上や物があたる場所を避け、安定した場所にテレビを設置することが大切です。
画面に傷が付くと、光が反射して見づらくなったり、ひび割れの原因になったりすることがあります。
一度できてしまった傷や破損は修復するのが難しく、直すにはパネル交換が必要になることがほとんどです。パネル交換の費用は比較的高額なため、手痛い出費になってしまいます。
この事態を防ぐためには、テレビ画面を保護することが欠かせません。
たとえば、子どもやペットが画面を叩いたり引っ掻いたりすることが多いなら、設置する高さを調整しましょう。子どもやペットの手が届きにくい高さにテレビを置けば、画面が傷付くのを防ぎやすくなります。
また、画面を守る保護用パネルやガードを活用するのもおすすめです。これらを使えば、万が一子どもやペットが画面を触ったとしても傷付く心配がありません。
視聴する時間が長ければ長いほど、パネルやバックライト、その他部品は消耗するので寿命は短くなります。テレビを観ていない時間はこまめにテレビの電源をオフにすることをおすすめします。
外出中や就寝中のつけっぱなしを避けるだけでも、寿命を延ばせる可能性が高まります。
テレビの視聴以外で、ゲームやBlu-ray Discの再生などに使う場合は、テレビ画面の使用時間が長くなる傾向にあるため、用途がテレビだけの場合の寿命よりも短くなりがちなことを、あらかじめ理解しておきましょう。
テレビを長い期間使っていて、寿命サインに気が付いたらメーカーサポートや修理業者に点検を依頼しましょう。
しかし、寿命を迎えたテレビは一箇所を修理しても、次々と不具合が生じていき、結果的に修理費用が高額になる可能性が高いため、新しいものに買い替えることをおすすめします。
修理にこだわりすぎず、寿命と思われるだけの期間を使い終えたら新しいテレビの購入を検討しましょう。
2011年7月に地上デジタル放送に移行してから10年以上が経ちました。(※2022年現在)
テレビにはさまざまな種類があり、寿命は種類によって異なりますが、前述したようにテレビの買い替え周期は約10年といわれています。そのため、地上デジタル放送に移行する前やそのタイミングでテレビを購入したのであれば、買い替えを検討するのがおすすめです。
テレビは「家電リサイクル法」の対象なので、正しい手順で処分しなければなりません。そこで以下では、テレビの処分方法を4つご紹介します。
1つ目は、「自治体が指定する回収業者への処分依頼」です。
この場合、リサイクル券が必要になります。自治体の窓口で発行してくれるケースもあれば、自分で手続きをして発行しなければならないケースもあります。自治体によって処分方法や利用条件は異なるので、問い合わせて確認するようにしましょう。
2つ目は、「指定の引取所に持ち込む」です。
古いテレビを自分で指定の引取所に持ち込むため、収集運搬の料金はかかりません。ただし、郵便局に行ってリサイクル券を発行する必要があります。
指定の引取所に関しては、一般財団法人 家電製品協会のサイトにて確認できます。
3つ目は、「テレビを購入した店舗への処分依頼」です。
古いテレビを購入した店舗が分かっていれば、そこに処分を依頼することで回収してもらえます。店舗によって回収方法は異なるので、問い合わせて確認するようにしましょう。
4つ目は、「新しいテレビを購入する店舗への依頼」です。
新しいテレビを購入する際、古いテレビの処分を依頼すれば引き取ってもらえることがあります。店舗によっては下取り特典として割引を受けられることもあり、その場合は新しいテレビを安く購入することが可能です。
ジャパネットたかたではテレビの下取りを行っています。ぜひご検討ください。
「テレビ 下取り」で商品を探すなお、テレビの処分方法は以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひご参考にしてください。
テレビは正しく処分する必要あり!その方法を詳しく解説
画面に線が現れたり、音にノイズが混ざったりしたら、それはテレビの寿命が近づいているサインです。突然テレビが使えなくなる可能性があるので、寿命のサインが見られたら早めに買い替えを検討しましょう。
新しいテレビを購入したら、長く使えるようこまめにお手入れをしたり置き場所に気をつけたりすることも大切です。今回ご紹介した寿命を延ばすためのポイントをぜひ試してみてください。