エアコンの暖房が効かない8つの原因と対策!暖房効率アップ法も解説

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凍るような冬の朝、エアコンをつけてもなかなかお部屋が暖まらない…そんな経験、ありませんか?「もしかして故障?」と不安になりますが、実は単なる設定ミスや室温のムラが原因で、暖房の効きが悪くなることも多いんです。
この記事では、エアコンの暖房が効かない原因の一覧や、すぐできる対処法をわかりやすくご紹介します。さらに、故障の見極め方やエアコンを買い替える際に気をつけたいチェックポイントについてもわかりやすく解説しています。

この記事でわかること

・暖房が効かないときは「リモコンの設定ミス」「霜取り運転」などが原因なことも多い

・暖房の効きを良くするには、「空気をかきまぜ温度ムラをなくす」「お部屋の断熱性を上げる」ことが特に大切。

・10年程度使ってエアコンが故障した場合は、新品に買い替えるのがおすすめ

エアコンの暖房が効かない8つの原因と対策

暖房20℃に設定されたリモコンの画像

エアコンから風は出ているのに、なんだかお部屋が暖かくならない。そんなときは、まず以下の8つの原因をチェックしてみましょう。

原因1.リモコンの設定ミス

エアコンの暖房が効かないときに意外と多いのが、リモコンの設定ミス。特に、うっかり「冷房」や「送風」にしていると暖かい風は出ないので、一度設定を確認してみましょう。また、室温が設定温度に到達すると、それ以上は暖かい風が出なくなります。問題なくエアコンが動いているかを確かめるには、設定温度を高めにして運転し、暖かい風が出てくるかをチェックしてみてください。

なお、風量が「弱」になっていると、暖かい空気がお部屋に行き渡らず、エアコンが効きにくくなることもあります。「暖かい風自体は出ているけど寒いまま」という場合は、風量を「自動」や「強」に設定して様子を見てみるのもおすすめです。

    リモコンの設定ミス対策

  • ・運転モードを「暖房」に切り替える(冷房・ドライ・送風は暖かい風が出ない)
  • ・設定温度は室温より高くなるようにする(室温が設定温度に達すると暖かい風は出なくなる)
  • ・風量は「自動」か「強」に設定すると暖まりやすい
  • ・風向きを「下向き」か「自動」にする(暖かい空気は天井に溜まりやすい)
  • ・「おやすみ(静音)モード」「エコモード」は通常モードに切り替える(暖房効果が弱いケースがある)

原因2.霜取り運転

暖房を使い始めてしばらくは温風が出ていたのに、急に止まってしまった場合、「霜取り運転」が始まった可能性があります。

霜取り運転とは、暖房効率の低下を防ぐため、室外機についた霜を溶かす機能です。このとき、一時的に暖かい風が出なくなりますが、故障ではないのでご安心ください。霜取り運転中かどうかは、室内機の運転ランプの点滅などで見分けることができます。機種によってサインが異なるので、お手元の取扱説明書も参考にしてみてください。

霜取り運転は、必要になると自動で始まり、霜が溶けると自動的に暖房運転が再開されます。霜取り運転はおおよそ5〜15分程度で終了するので、暖房運転が再開するまで様子を見てみましょう。

    霜取り運転対策

  • ・基本的には何もせずに待つのが大切
  • ・室外機の周囲に障害物がないかを確認する(空気の流れが妨げられると、熱交換器に霜が付きやすくなる)
  • ・何度も霜取り運転になるときは、設定温度を1〜2℃下げると霜が付くスピードを抑えられる

原因3.内部の汚れ

エアコンのフィルターや内部にほこりなどの汚れがたまると、空気の通り道がふさがれて、暖房の効きが悪くなってしまいます。特に、フィルターの汚れを放置しているとイヤなニオイやカビの原因になることもあるので、シーズン中は週に1回を目安にお手入れすることが大切です。

    エアコンの汚れ対策

  • ・エアコンのフィルターや吹き出し口の汚れなどを定期的に掃除する
  • ・お掃除機能付きエアコンは、ダストボックスのゴミも取り除く
  • ・お掃除しても汚れやニオイが気になる場合は、プロのクリーニング業者に掃除を依頼する

なお、エアコンのお掃除方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。

  • 自分でできるエアコンの掃除方法は?メリットや頻度・手順を解説

    • エアコン内部に汚れが溜まると、冷暖房の効きが悪くなったり、臭いの原因になったりすることがあります。自分でお掃除できる箇所は、フィルターと吹き出し口の二か所。この記事ではお掃除方法やメリットについて解説します。
    • 詳しく見る

原因4.お部屋の間取り・障害物

エアコンからの風がカーテンや家具などの障害物によって妨げられると、お部屋に暖かい空気が行き渡らなくなってしまうことがあります。エアコンの吹き出し口周辺がふさがれていないかを一度確認してみましょう。

またL字型のリビングなど、お部屋の間取りによっては特定の場所だけ暖房が効きにくくなることもあります。その場合はエアコンの風向きを工夫するか、サーキュレーターを併用して空気を循環させると暖房の効きがよくなるでしょう。

    お部屋の間取り・障害物対策

  • ・空気の流れを妨げないよう、家具の設置場所を変更する
  • ・エアコンの吹き出し口周辺がカーテンなどでふさがれていないかを確認する
  • ・間取りの関係で温度ムラが起こる場合は、サーキュレーターを併用するのもおすすめ

原因5.室外機の設置環境

普段気にすることはありませんが、室外機には屋外の熱をうばい取って空気を暖める重要な役割があります。室外機の周りに障害物があると、空気の流れをふさいで熱交換がうまくできなくなり、暖房が効きにくくなることもあるので注意が必要です。

対策としては、室外機の設置環境を確認し、周囲に物が置いてあれば移動させておくようにしましょう。また、積雪の多い地域では、室外機の周りに積もった雪にも注意が必要です。

    室外機の不具合対策

  • ・室外機の周囲には物を置かず、積もった雪にも注意する
  • ・室外機の吹き出し口の前は、30cm以上の空間を確保する
  • ・積雪の多い地域では、防雪カバーや高置台の設置も効果的

原因6.外気温の影響

外気温が極端に低くなると温度調節がうまくできなくなり、暖房能力が低下することがあります。一般的に、冬の最低気温が−10℃を下回るような場合、普通のエアコンではお部屋を暖められなくなることも少なくありません。

もし外気温の影響でエアコンが機能しない場合は、いますぐ対策することは難しいでしょう。まずはストーブなどの暖房器具で寒さから身を守りながら、外気温が低くても動作するように設計された、「寒冷地用エアコン」に買い替えることを検討してみてください。

    外気温の影響対策

  • ・寒冷地用エアコンへの買い替えを検討する

原因7.適用畳数不足

適用畳数は、そのエアコンがどれくらいの広さまでのお部屋に対応できるかをあらわしています。「主に10畳用」や「8畳〜10畳」のように記載されているので、設置したいお部屋に合わせて選んでみましょう。なお「〇畳〜〇畳」と記載されている場合は、前の数字が「木造住宅での畳数」、後ろの数字は「鉄筋住宅での畳数」を表しているので、注意が必要です。

お部屋の広さよりも適用畳数が小さいエアコンを使っていると、エアコンのパワーが足りず暖まりにくいことも。特に、引っ越し前の家から持ってきたエアコンを使っている場合などはご注意ください。

ちなみに、一般的には冷房と暖房の適用畳数は分けられており、冷房の能力は問題なくても、暖房では力不足になることもあります。真冬でもしっかりお部屋を暖めたい方は、暖房の適用畳数がお部屋の広さをカバーしているかをチェックしておくようにしましょう。

    適用畳数不足対策

  • ・お部屋の広さと「適用畳数」が合っていない場合は、エアコンの買い替えを検討する
  • ・適用畳数は冷房と暖房で分かれているので要注意

原因8.冷媒ガス漏れ

「冷媒ガス」には空気中の熱を移動させる役割があり、エアコンが室温を調節するために欠かせないものです。通常はエアコンの配管内に密封されていますが、主に経年劣化によって冷媒ガスが外に漏れだしてしまうこともあります。

「昨日までは普通に使えたのに、ある日突然暖かい空気が出なくなった」「日を追うごとに暖房が効かなくなり、ついには全く暖まらなくなった」というケースは、冷媒ガスが外に漏れだしている可能性が高いとみてよいでしょう。

冷媒ガス漏れは端的に言えばエアコンの故障なので、自分で対処することはできません。エアコンの状態や使用年数に応じて、修理か買い替えの判断をするようにしましょう。

    冷媒ガス漏れ対策

  • ・冷媒ガス漏れはエアコンの故障にあたるので、修理か買い替えが必須
  • ・設定温度を最大にしても暖かい空気が全く出ないときは、冷媒ガス漏れの可能性が高い

エアコンの暖房の効きを良くする方法

暖かい場所で眠る猫の画像

お部屋がうまく暖まらないときは、ちょっとした工夫で暖房の効きがよくなることも少なくありません。ここでは、暖房の効きをアップする3つのポイントをご紹介します。

室温20℃を目安に設定温度を変更する

暖房をつけるときにまず目安としたいのが、「室温20℃」。これは環境省が、冬場に快適性と省エネを両立できる室温として指標にしている数値です。

「じゃあ設定温度を20℃にしよう」と思いきや、実際の室温は、エアコンの設定温度の通りになるとは限りません。日当たりや断熱の関係で20℃を下回る場合も少なくないので、確実にお部屋を暖めるためには、温度計で実際の室温をチェックすることも大切です。

なお、室温20℃は省エネも意識した目安なので、人によっては肌寒く感じてしまうこともあります。暑さ寒さの感じ方は人それぞれ異なるので、「まだまだ寒い」と感じる場合は、我慢せず設定温度を上げることをおすすめします。

サーキュレーターを活用する

お部屋の中では、暖かい空気は天井にたまりやすい性質があるため、温度ムラが起こることも。そこで、サーキュレーターを使ってお部屋の空気をかき混ぜると、部屋全体の温度ムラがなくなり、暖房効率がアップします。

なお、置き場所にはちょっとしたコツがあり、サーキュレーターをエアコンの対角線上に向かい合うように置き、やや上向きになるように風を送ると、より効果的に空気を循環させることができます。

暖房の効果を高めるサーキュレーターの置き方を説明した画像

「暖房をつけても、足元だけずっと冷える」という経験のある方は、ぜひサーキュレーターを活用して、エアコンの暖房効果をさらにアップさせてみてください。なお、エアコンとサーキュレーターの併用方法については以下の記事でも詳しく解説しています。

  • エアコンとサーキュレーターで冷暖房の効果アップ!電気代の節約にもつながる使い方をご紹介!

    • エアコンとサーキュレーターを組み合わせることでお部屋の空気が循環し、冷暖房効率を高めることができます。この記事では、冷房や暖房などシーンにあわせたサーキュレーターの効果的な使い方について詳しく解説しています。さらに扇風機との違いやサーキュレーター単体での活用法もご紹介していますので、ぜひご参考にしてください。
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お部屋の断熱性を上げる

暖房運転中は、とにかく室内の暖かい空気を外に逃がさないことがポイント。特に窓からは熱が逃げていきやすいので、厚手のカーテンなどを活用することで、室温をコントロールしやすくなります。

また、特に寒さの厳しい時期は屋外との温度差ができやすく、窓からの冷気が床を這うように流れ込んでくる「コールドドラフト」という現象が起きやすくなります。すると暖房をつけても足元が冷えやすくなってくるので、床まですっぽりと覆えるような長めのカーテンを選ぶとよいでしょう。

その他に、ドアの隙間に貼る「隙間テープ」を活用することでも、お部屋の断熱性をアップすることができます。

「故障かな」と思ったときのかんたんチェック法

「設定を見直して、お掃除もしたのに、やっぱり部屋が暖まらない」そんなときは、エアコンが故障している可能性もあります。この項目では、故障を見極めるための自分でできるチェック方法をご紹介します。

運転ランプ・エラーコードを確認する

まずは、室内機の運転ランプが点滅したり、リモコンの液晶画面に数字や記号のエラーコードが出たりしていないかを確認してください。多くのエアコンは、ランプの点滅やエラーコードで異常の発生を知らせる通知機能を備えています。

なお、ランプの点滅パターンやエラーコードの意味は、メーカーや機種によっても異なります。異常発生の通知が出たときは、取扱説明書やメーカーの公式WEBサイトを見てみましょう。

室外機の動作を確認する

暖房が効かないときは、室外機が正常に動作しているかも確認しましょう。室外機のファンがまったく回っていなかったり、「ガリガリ」「キーキー」といった明らかな異音がしたりする場合は、故障の可能性があります。

感電・火災などの危険もあるので、室外機に異常があったときはすぐに運転を停止して、コンセントからプラグを抜き、メーカーサポートなどに連絡してください。

設定どおりに温風が出ているか確認する

きちんと暖房運転にして温度を高めに設定しても「吹き出し口から出てくる風が冷たい」「風量が極端に弱い」場合は、エアコンが故障している可能性が高くなります。

冷媒ガス漏れや部品の故障が起きていると自分で対処することはできないので、メーカーなどに修理の依頼をするか買い替えの検討をしてみましょう。

故障したエアコンの修理と買い替えの見極め方

故障したエアコンに頭を抱える女性の画像

エアコンの暖房が効かない場合、修理をするか買い替えるか悩む人も多いはず。そこで、エアコンの買い替えを検討すべきタイミングをご紹介します。

メーカー保証期間内なら絶対に修理を受けよう

一般的なエアコンには、購入後1年間のメーカー保証が付いていることがほとんどです。その期間内の自然故障であれば、無償で修理が受けられるので、まずはメーカー保証が有効かどうかを確認してみましょう。

なお、メーカー保証の期間内であっても、保証書を紛失したり地震や雷などの自然災害で故障したりした場合は、無償修理を受けられない可能性もあるので、頭に入れておきましょう。

10年程度使っているなら買い替えがおすすめ

エアコンの寿命は設置環境や使い方に左右されるので一概には言えませんが、エアコンの平均的な買い替え年数はジャパネット調べで約16年です。そのため、10年程度使ったエアコンなら、一度修理してもまたすぐに別の箇所が壊れてしまうことも少なくないため、思い切って新品に買い替えてしまうのもおすすめです。

また、エアコンを修理するかどうかの判断には、メーカーの「部品保有期間」という考え方も重要です。エアコンメーカーには、その機種の生産終了から最低でも9年間は、修理用の部品を保管しておかなければならないという決まりがあります。つまり裏を返せば、生産終了から9年以上たったエアコンは、部品がなければ修理したくてもできない状況に陥る可能性もあるということです。

最新のエアコンは10年前のモデルと比較すると、暖房効率や省エネ性能が大きく向上しているものがほとんど。今のエアコンを長年使っている方は、修理費用と最新エアコンの性能を天秤にかけて、よりおトクになる選択肢を選んでみましょう。

エアコンを買い替えるときのチェックポイント

せっかく新しいエアコンに買い替えるなら、自分に合ったモデルを選びたいですよね。エアコンを選ぶときに欠かせないのが、お部屋の広さに応じた適用畳数の機種を選ぶこと。そのほかにも、AI制御による自動運転や空気清浄機能、加湿機能など、さまざまな便利機能からライフスタイルに合ったものを選んでみましょう。

    エアコン選びのチェックポイント

  • □ 適用畳数は、設置するお部屋の広さに合っているか?
  • □ 特に寒さの厳しい地域にお住いの方は、寒冷地用エアコンも要チェック
  • □ フィルター自動掃除、空気清浄、加湿など、ライフタイルにあわせて搭載機能を選ぶ

なお、自分に合ったエアコンの選び方や、代表的な搭載機能については以下の記事で詳しく解説しています。エアコンメーカーごとの特徴についてもご紹介しているので、エアコン選びに迷っている方は、ぜひご参考にしてみてください。

  • エアコンのおすすめ製品と押さえておきたい選び方をご紹介!メーカーごとの特徴も解説

    • この記事ではジャパネット厳選のおすすめエアコンや、エアコンを購入する前に確認しておきたいポイント、自分に合ったエアコンの選び方などをご紹介しています。また、古くなったエアコンを処分する方法もまとめているので、ぜひご覧ください。
    • 詳しく見る

ジャパネット厳選のおすすめエアコンをご紹介!

まとめ:暖房が効かないときは原因を見極めて対処法を試そう

エアコンの暖房が効かないとつい故障を疑ってしまいますが、実はリモコンの設定や霜取り運転になっているだけの場合もあります。今回ご紹介した原因一覧とその対処法を試して、暖房の効きがよくなるかを確かめてみましょう。

もし長年使ったエアコンが故障している場合は、思い切って新しいエアコンに買い替えてしまうのもおすすめです。どんな機種にするか迷ったときは、ジャパネットおすすめエアコンもぜひご参考にしてみてください。

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よくある質問

Q.エアコンの暖房が効かない原因は?
エアコンの暖房が効かないときは、以下のようにさまざまな原因が考えられます。
・リモコンの設定ミス
・霜取り運転
・室内機の汚れ
・お部屋の間取り・障害物
・室外機の設置環境
・外気温の影響
・適用畳数不足
・冷媒ガス漏れ
Q.エアコンの暖房の効きを良くする方法は?
エアコンの暖房が効かないときは、以下のような設定・工夫で改善されることがあります。
・設定温度を室温より5℃程度高めにする
・エアコンとサーキュレーターを併用する
・隙間テープや厚手のカーテンでお部屋の断熱性を上げる
Q.エアコンが故障しているかのチェック法は?
エアコンの設定変更や掃除を行っても暖房が効かないときは以下の3点をチェックし、当てはまるようであれば専門業者に連絡しましょう。
・エアコン室内機の運転ランプが点滅している、リモコンにエラーコードが表示されている
・室外機のファンが回っていない、明らかな異音がする
・設定温度を高くしても暖かい風が出ない