エアコンの性能を最大限に引き出し、快適に使い続けるためには、定期的な掃除が欠かせません。自分でお掃除できる箇所は「フィルター」と「吹き出し口」の二か所。放置しているとカビが繁殖したり冷暖房の効きが悪くなったりすることがあるので、こまめなお手入れを心がけましょう。
この記事では、エアコン掃除のメリットをはじめ、具体的なお掃除の方法や頻度について解説します。また、エアコンをきれいに保つために日ごろから気をつけたいコツについても紹介しています。
つい後回しにしがちなエアコンのお掃除ですが、定期的なお手入れをすることでカビやニオイの予防になったり、冷暖房の効きをキープしたりできます。このあとの項目で、エアコン掃除をするメリットについて詳しく解説していきます。
エアコン内部の汚れを放置していると、いつの間にか繁殖してしまうカビ。特にフィルター部分にはホコリが溜まりやすく、さらに湿度も高いため、カビにとっては絶好の住処になります。
カビの予防で一番大事なことは、エサとなるホコリなどのゴミを放置しないこと。定期的にフィルターのお掃除をして、カビの繁殖しにくい環境にキープしましょう。
お部屋の中には、食べ物や汗、たばこの煙、ペット臭など、さまざまなニオイのもとが漂っています。エアコンはお部屋の空気を吸い込んで動いているため、エアコン内部にニオイがこびりついてしまうことがあります。定期的にエアコンの掃除を行えば、本体の気になるニオイを抑えやすくなるでしょう。
フィルターがホコリで目詰まりしていると、空気の流れが悪くなり、冷暖房効率が落ちてしまうことがあります。特に、フィルターをお掃除せずに長年放置していると、いつの間にか冷暖房の効きが大きく落ちていることも少なくありません。
「最近エアコンをつけてもなかなかお部屋が冷えない……」と感じる場合は、フィルターをお掃除するだけで、使い始めのころの性能を取り戻せることも多いでしょう。
エアコン内部に汚れやホコリが溜まって冷暖房効率が悪くなると、必要以上にエアコン本体に負担がかかってしまいます。そのまま使い続けると、本来よりも電力を多く消費したり故障のリスクが高くなったりすることもあるので注意が必要です。エアコンを長持ちさせるためにも、定期的に本体のお掃除をすることが大切です。
自分でできるエアコン掃除は、主に「フィルター」と「吹き出し口」の2箇所です。特にフィルター部分には汚れが溜まりやすいため、なるべくこまめにお掃除をするようにしましょう。
お掃除の前には、安全のためにエアコンの電源を切り、コンセントからプラグを抜いておくと安心です。また、掃除中はホコリが舞い散りやすいので、吸い込まないようにマスクを着用するようにしましょう。
エアコンのフィルターには汚れが溜まりやすいため、2週間に1回を目安にお掃除をするようにしましょう。具体的な手順は、以下のとおりです。
まずは、エアコン本体からフィルターを取り外しましょう。機種によっても取り外し方は異なりますが、まずは本体のカバーを開け、フィルターを引き抜くのが一般的です。なお、フィルター自動掃除機能付きエアコンの場合、まずダストボックスを取り外す必要があります。こちらは機種によって取り外し方が異なるので、取扱説明書を確認しながら壊さないように作業しましょう。
ちなみに、フィルターを取り外した拍子に表面のホコリがお部屋に舞い散ることがあります。なるべくゆっくり取り外すようにし、場合によってはゴミ袋などでホコリを受け止めながら作業をするとよいでしょう。
フィルターを取り外したら、掃除機でホコリを吸い取りましょう。汚れが少なければ掃除機だけでも問題ありませんが、ホコリが厚く付着している場合は、水洗いをする必要があります。シャワーなどでフィルターを洗い流し、こびりついたホコリは歯ブラシなどで優しくこすり落としましょう。あまり強くこするとフィルターを破いてしまうこともあるので注意が必要です。
ちなみに、フィルターにたくさんのホコリやカビが溜まっている場合は、取り除くときに周囲に舞い散りやすくなります。その場合は、お風呂場で作業をすると後片付けもラクになるのでおすすめです。
水洗いした後は、タオルでフィルターを軽く挟んで水気を取ります。その後、風通しの良い場所にしばらく干して、しっかりと乾燥させてから取り付けましょう。フィルターが湿ったまま戻してしまうと、カビが発生する原因になるため注意が必要です。
エアコンの吹き出し口周辺は結露が起こりやすく、使っているうちに黒カビが発生しやすい場所です。吹き出し口を見て黒い点のような汚れがあれば、カビが繁殖している可能性が高いでしょう。
吹き出し口をお掃除するには、ルーバー(風向きを調整する羽根)を開き、ぬるま湯に浸して固く絞ったやわらかい布で、汚れをやさしく拭き取ります。吹き出し口の奥には送風ファンがありますが、触ると折れたり割れたりしやすいので、お掃除は吹き出し口だけにとどめておきましょう。もし吹き出し口の奥の方までカビが繁殖している場合は、本格的なクリーニングが必要になります。自分でお掃除することは難しいので、メーカーや専門業者に依頼するようにしましょう。
工事の込み合うまでにやっておきたいエアコンの試運転ですが、このとき一緒に本体のお掃除もしておくのがおすすめです。エアコンはオフシーズンになると全く使わないことも多く、その間にホコリなどのゴミが溜まりやすくなってしまいます。そのままの状態で運転すると、ニオイがしたり効きが悪いと感じたりすることもあるので、あらかじめ本体のお掃除もしておくようにしましょう。
また、夏場はエアコンの点検や修理の依頼が殺到するため、不具合が見つかってもすぐに予約が取れないことがほとんどです。工事が混みあう前の4月〜5月頃に試運転をしておき、エアコンが問題なく動作するかを確かめておくようにしましょう。
エアコンの試運転の方法や注意事項については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
エアコンは早めの試運転が大事!やり方と要注意の症状について詳しく解説!
エアコンの吹き出し口やフィルターは自分でお掃除できますが、内部のファンや熱交換器まできれいにするには、専門的な知識と技術が必要です。無理やり手を突っ込んだり自分で分解したりしてしまうと、部品を壊してしまい故障の原因になることもあります。
自分でお掃除してもニオイが取れない場合やエアコンを隅々まできれいにしたい場合は、専門業者によるクリーニングを依頼しましょう。きちんとした専門知識を持つ業者であれば、エアコンを丁寧に分解し、隅々まで丁寧に掃除してくれます。また、作業中は床や周囲に養生シートを敷いてくれるため、汚れが飛び散る心配も少なく安心です。定期的にプロの手を借りることで、エアコンをより長く快適に使い続けることができます。
エアコンのお掃除はもちろん大切ですが、日ごろから使い方を工夫することで、本体に汚れが溜まりにくくなります。具体的な方法としては、「送風運転の活用」と「こまめな換気」です。お掃除の手間を減らすことにもつながるので、ぜひこれらのポイントに気をつけながら使ってみてください。
冷房を使った後はエアコン内部の湿度が高くなるため、カビが繁殖しやすい環境になってしまいます。そのため、冷房を使った後はしばらく送風で運転して、内部を乾燥させるとよいでしょう。
なお、機種によっては「内部クリーン機能」が搭載されており、自動でエアコン内部を乾燥してくれます。その場合は自分で送風運転に切り替える必要はないので、取扱説明書を確認して、お使いの機種に搭載されているかを確認してみましょう。
ちなみに、エアコンの送風運転は、内部の乾燥以外にもお部屋の空気を循環させたりお部屋の熱気を追い出したりする使い方もできます。以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご参考にしてみて下さい。
エアコンの送風とは?上手な活用方法や注意点を解説!
エアコンはお部屋の空気を吸い込んで温度を調節し、再び室内に戻すことで室温を調節しています。つまり、エアコンを使っていてもお部屋の空気は入れ替わらないので、締め切ったままだと時間がたつうちに臭いや汚れがこもってしまいます。
するとエアコンに臭いが付いたり汚れが溜まりやすくなったりするので、なるべくこまめに窓を開け、お部屋を換気するようにしましょう。ちなみに、夏場で一日中家にいるときなどは、実はエアコンをつけっぱなしにしたまま換気するのがおすすめです。換気のタイミングやコツについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひこちらもチェックしてみてください。
エアコン使用時の換気は必要?換気をした方が良い理由と上手な換気方法を紹介!
自分でできるエアコン掃除は、「フィルター」と「吹き出し口」の2箇所です。特にフィルターには汚れが溜まりやすいため、2週間に一回を目安にお掃除するようにしましょう。また、送風運転を活用したりこまめに換気をしたりすることでエアコンを清潔に保ちやすくなります。もしエアコンの内部に汚れがこびりついてしまっている場合は、自分でお掃除することは難しいので、メーカーや専門業者に依頼してクリーニングを受けるようにしましょう。
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