エアコンに送風機能があることは知っていても、「あまり使った記憶がない」「実際にどんな役割があるの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。送風運転は、室温はそのままに空気だけを送り出す機能です。うまく活用することで、効率よく換気したり、エアコン内部を乾燥させたりするのに役立ちます。
この記事では、送風運転の上手な活用方法や使用する際の注意点について解説します。エアコンの送風機能が搭載されていない場合の対処方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
エアコンの送風はその名の通り、風だけを室内に送り出すシンプルな機能です。それだけに、「今まで使ったことがなかった」という方も多いと思いますが、うまく活用するとお部屋を効率よく換気できたり、エアコンのカビ対策をしたりすることができます。具体的には、以下のような活用方法があります。
ただ窓を開けるだけでも換気をすることはできますが、送風運転を活用することで、室内に空気の流れが出来るため、より効率よくお部屋の空気を入れ換えることができます。特に、窓が1か所だけの部屋では空気の流れが作りにくいため、エアコンの送風を活用するとよりスムーズに換気できるでしょう。
エアコン内部に繁殖しやすいカビですが、その原因の一つに湿度の高さが挙げられます。エアコンの冷房運転を使った後は、結露によって内部は湿った状態に。そのままにしておくとカビが好むジメジメした環境になり、放っておくとカビが繁殖してしまうことがあります。
そこで活躍するのが、送風運転。冷房や除湿を使った後に送風運転をしておけば、エアコン内部を乾燥させることができるので、カビの発生を防ぐ効果が期待できます。いつもの習慣にプラス一手間で、キレイな状態をキープしましょう。
夏の暑さから逃げるように家に帰ると、お部屋に充満する熱気にうんざりすることもあるのではないでしょうか。そんなときは急いで冷房をつけたくなりますが、その前に窓を開けてから送風運転を使うことで、こもった熱気を外に追い出すことができます。そのまま冷房をつけるよりもすばやくお部屋を冷やすことができ、本体にかかる負荷を減らして電気代も節約しやすくなります。
何かと便利な送風運転ですが、そのまま風に当たって涼むこともできます。少し気温が上がりはじめる初夏の時期など、まだ冷房をつけるほどでもないかな、という季節に重宝するでしょう。冷房に比べて送風の消費電力ははるかに少ないので、電気代の節約にもつながります。
エアコンを使っていると気になるのが、電気代。夏場は特にかさみがちですが、エアコンのどの部分で一番電力を使っているかご存知でしょうか。実は、エアコンで最も電力を消耗するのが、温度を調節する役割を持つコンプレッサー部分です。このコンプレッサーは、温度調節の必要がない送風運転では使われないので、冷暖房と比べてはるかに低い電気代で運転することができます。
特に、まだ冷房をつけるほどでもない初夏の季節では、送風運転を活用することで大きく電気代を節約することができます。ただし、暑さが気になるようであれば我慢せず冷房をつけた方が良いですし、湿度が気になる梅雨時期などは除湿運転を使った方が快適に過ごすことができます。場面に応じて送風やそれ以外の運転モードを使い分け、より快適な室内環境を整えましょう。
一部のモデルでは送風運転が搭載されていませんが、その場合でも設定次第で送風と同じ効果を得ることができます。その方法とは、冷房を最高温度(一般的に32℃くらい)に設定して運転することです。すると、室温よりも設定温度の方が高くなるので、温度を調整する必要はないと判断して、吸い込んだ風をそのまま室内に送り出してくれます。
ただし、室温が設定温度よりも高い場合は、通常の冷房運転になってしまうので注意が必要です。
さまざまな活用方法があるエアコンの送風運転ですが、知っておきたいいくつかの注意点もあります。もっと上手に送風運転を活用するためにも、以下のポイントを頭に入れておきましょう。
送風運転はエアコン内部を乾燥させるため、カビの発生を防止することにつながります。しかし、フィルターなどに汚れが溜まっていると、それをエサにカビが繁殖しやすくなるので、エアコンのお掃除も忘れないようにしましょう。
なお、エアコンのカビの対処法や注意点については、以下の記事でも詳しく解説しています。カビにお困りの方は、ぜひこちらもご参考にしてみてください。
エアコンにカビが発生する原因は?影響や対処方法を解説
送風運転はあくまで風を送り出すだけの機能なので、室温や湿度をコントロールすることはできません。例えば、夏場の閉め切った部屋で送風運転だけしか使わないと、熱中症のリスクが高まる可能性があります。また、梅雨時期などのムシムシした暑さが気になる日は、送風ではあまり涼しさを感じないことも多いので、なるべく除湿運転を活用することをおすすめします。
エアコンの送風運転は、その名の通り空気だけを送り出す機能です。効率よくお部屋を換気できるほか、冷房を使った後にしばらく送風運転をすると、内部を乾燥させてカビが繁殖しにくい環境にすることができます。フィルター掃除と組み合わせて、エアコンを清潔に使い続けましょう。
一方で、送風運転だけでは湿度や室温を下げることはできません。暑いと感じたら、迷わずに冷房を使うようにしましょう。
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