エアコンとサーキュレーターで冷暖房効率UP！併用時の置き方を解説

サーキュレーターは空気を循環させるもの

サーキュレーターは、お部屋の空気を効率良くかき混ぜることに特化した家電です。

直線的で強い風を遠くまで送るのが得意で、空気がこもりがちなお部屋の換気や、室内の温度を均一にしたいときなどにぴったりです。また、エアコンと組み合わせることで、冷暖房効率をさらにアップさせられることも大きな魅力の一つでしょう。

一方で、風量も動作音も大きいため、直接風に当たって涼む、といった使い方にはあまり向いていません。

扇風機は直接当たって涼をとるもの

扇風機は、人に涼しい風を送るための家電です。広範囲にやわらかい風を送ることができ、音も静かで、心地よい涼しさが感じられます。

一方で、風が広がるぶん遠くまでは届かず、サーキュレーターに比べるとお部屋全体の空気を動かすにはパワー不足なことが多いでしょう。「エアコンと一緒に扇風機を使おうかな」と考えている方は、よりパワフルなサーキュレーターを選ぶことをおすすめします。

なお、扇風機とサーキュレーターの違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。それぞれの特徴や気になる電気代についても解説していますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

室温のムラがなくなる

エアコンをつけてもうまく温度調節できないとき、それは室温のムラが原因かもしれません。

たとえば冷房運転中に、「エアコンの近くだけやけに寒いのに、離れると全然効いてない」という経験のある方も多いのではないでしょうか。反対に暖房運転中は「頭の方ばかり暖まって、なんだかボーっとする」というお悩みのある方はいませんか？

実はお部屋の中では、「冷たい空気は床に」「暖かい空気は天井に」留まる性質があり、これが室温のムラを生み出しています。

そんなときも、お部屋に滞留した空気をサーキュレーターでかき混ぜることで、室温が均一になり、お部屋のどこにいても快適に過ごしやすくなります。

電気代の節約につながる

サーキュレーターにより室温のムラがなくなると、冷やしすぎ・暖めすぎを防いで、エアコンの冷暖房効率がアップします。すると、設定温度を夏は高めに、冬は低めにしても快適になりやすく、結果的に電気代の節約にもつながります。

なお、環境省のデータによるとエアコンの設定温度を1℃変えるだけで、冷房時で約13％、暖房時で約10％もの消費電力削減が期待できるとしています。エアコンがほぼ生活必需品となった昨今、長い目で見ると大幅な電気代の節約につながることも少なくないでしょう。

参考：環境省　家庭部門のCO2排出実態統計調査

部屋干しの洗濯物が乾きやすくなる

サーキュレーターが意外と役に立つのが、部屋干しした洗濯物を乾かすとき。サーキュレーターでエアコンの風を洗濯物に向けて送ると、衣類の間を乾いた風が通り、湿気を効率良く飛ばして乾燥時間を大きく短縮しやすくなります。

特に、雨の日や花粉の季節など、洗濯物を外に干せないときに活躍できるでしょう。また、衣類を早く乾燥すると雑菌も繁殖しにくいので、部屋干し特有の生乾き臭も防ぎやすくなります。

冷房時の設置方法

冷たい空気は、お部屋の下の方に溜まる性質があります。冷気をまんべんなく届けるには、エアコンのすぐそばの床にサーキュレーターの背面をエアコンに向けるように置き、少し上に向けて風を送ってみましょう。するとお部屋のなかに空気の流れができるため、床にたまった冷気を部屋中に届けることができます。

暖房時の設置方法

暖かい空気は、お部屋の天井付近にとどまる性質があり、暖房をつけても足元だけ冷たさを感じてしまうことも。そんなときは、サーキュレーターをエアコンの対角線上に向かい合うように設置し、やや上向きになるように風を送り出しましょう。するとエアコン周辺の天井にたまったあたたかい空気が循環するので、お部屋全体をポカポカとあたためてくれます。

ロフトがあるお部屋の設置方法

ロフトがあるお部屋は天井が高く、上下の温度差で冷暖房の効果がなかなか感じられないこともあります。そこで、サーキュレーターを2台使うと、ロフトの上と下の空気を効率的に循環させ、温度ムラを解消しやすくなります。冷房と暖房で置き方が異なるので、詳しくはこの後の内容をチェックしてみてください。

2つのお部屋で風を循環させる設置方法

隣り合うお部屋の片方にしかエアコンがない場合、サーキュレーターを活用することで、もう一つのお部屋に冷暖房の風を送り込みやすくなります。

冷房のときは、エアコンから出る風を背にしてサーキュレーターを床に設置し、エアコンのない隣のお部屋へ直接風を送ります。

暖房のときは、エアコンのあるお部屋の中央にサーキュレーターを置いて、真上に向けて風を送りましょう。エアコンからの風を持ち上げて、自然と隣のお部屋に流れ込みやすくなります。

ポイント1：適用畳数（到達距離）

サーキュレーター選びでまず確認したいのが、「適用畳数」です。適用畳数は、その機種がどれくらいの広さのお部屋に対応できる風の強さがあるかを表しています。モデルによっては、風が届く範囲を具体的に「到達距離●m」と記載していることもあり、より具体的な風の強さを知ることができます。

お部屋の空気を循環させるサーキュレーターには、風の強さが不可欠。パワー不足で活躍できないことを防ぐためにも、お部屋の広さに合った適用畳数のサーキュレーターを選びましょう。

ポイント2：モーターの種類

モーターには、羽の回転をコントロールする役割があり、サーキュレーターの心臓部ともいえる部品です。大きく分けて「ACモーター」と「DCモーター」の2種類があり、静音性や省エネ性、本体価格が大きく変わってきます。

大まかに分けると、ACモーターは構造がシンプルでリーズナブルな機種、DCモーターは静音性や省エネ性に優れた高性能モデルです。

ポイント3：静音性

サーキュレーターは勢いよく風を送り出すため、寝室などで使うと意外と動作音が気になることも。特にACモーターの機種は大きな音が出やすいので、就寝時や書斎などで使用することが多い場合は、DCモーター搭載の製品や、おやすみモードなどが搭載されたモデルを選ぶのがおすすめです。

ポイント4：風向き・首振りの角度

サーキュレーターに風向き調節機能があれば、設置場所を変えなくても、上下左右に風を送り出すことができます。なかには、360度自由に風向きを調節できる機種もあるので、「いろいろなお部屋に風を送りたい」「たくさんの洗濯物をすばやく乾かしたい」という方は要チェックの機能といえます。

ポイント5：メンテナンス性

サーキュレーターを使っていると、羽やカバーなどにだんだんとほこりなどの汚れがたまっていってしまいます。そのため、定期的なお手入れが欠かせませんが、メンテナンス性に優れたモデルなら、よりかんたんにお掃除をすますことができます。

なかには、工具を使わずにカバーや羽根をかんたんに取り外せるモデルや、パーツを水洗いできるモデルもあります。メンテナンス性を重視する方は、これらのサーキュレーターをチェックしてみるのがおすすめです。

ポイント6：その他の便利機能

サーキュレーターの中には、便利な機能を搭載したモデルもあります。自分のライフスタイルと照らし合わせて、必要な機能がついたものを選びましょう。

サーキュレーターの主な便利機能

• ・自動首振り：360度首振りするモデルは、部屋干しの洗濯物の効率的な乾燥が可能
• ・リモコン：ロフトや離れた場所に置いたサーキュレーターを遠くから操作できる
• ・風量調節：細かく調節できるモデルほど、動作音と風量のバランスがとりやすい
• ・タイマー：設定した時間に電源のオン・オフができる。就寝時や外出時に便利
• ・温度センサー：室温を感知して、風量を自動調整したり、自動停止したりする