「洗濯機は止まったけど、脱水ができていない!」 ある日突然、そんな事態に遭遇してしまったら本当に困ってしまいますよね。でも、修理や買い替えを決断する前に、まずは原因を追求し、ご自身で対処できそうか確認しましょう。もし難しそうであれば、修理や買い替えを検討するのがおすすめです。 今回は、洗濯機で脱水できない時の原因とその対処法、修理する際の依頼先、脱水トラブル回避のためにできることなどをご紹介します。ぜひご参考にしてください。
洗濯機が故障しているわけではないのに、うまく脱水できていない。そんなケースでは、以下のような原因が考えられます。対処法と併せて押さえておきましょう。
うまく脱水できない原因として多いのが、洗濯物の片寄りです。
洗濯機の脱水は、「洗濯槽の高速回転によって洗濯物の水分を飛ばす」という仕組みで成り立っています。そのため、洗濯槽内の洗濯物が遠心力によって片寄ってしまう場合があります。
もし洗濯物が片寄ってしまうと、洗濯槽の回転が激しさを増し、洗濯機そのものが大きく揺れてしまい、場合によっては転倒してしまう恐れもあります。
このような事故を防ぐため、洗濯機には異常な振動を検知できる機能が付いており、検知に引っかかると脱水が止まる仕組みになっています。つまり、洗濯物が片寄ることで脱水ができなくなるケースがあるのです。
そのため、うまく脱水ができていないとわかったら、まずは洗濯槽内の衣類が片寄っていないか確認しましょう。衣類が片寄っていたときは、衣類をほぐして入れ直してください。そうすれば、再び脱水できるようになる場合があります。
縦型洗濯機の場合、洗濯物の量が多いと、重量によって洗濯槽の底にあるパルセーター(回転翼)が回らなくなってしまうことがあります。この結果、脱水がうまく行えなくなるのです。
そのため、「一度にたくさんの衣類を洗濯したいから!」と、洗濯槽に大量の衣類を詰め込むのは避け、数回に分けて洗濯をするようにしましょう。
排水口や排水ホースにゴミが溜まって詰まりを起こしていると、洗濯槽内に水が残り、脱水時に回転バランスが悪くなることがあります。この場合、洗濯機が異常な振動を検知して脱水が止まってしまいます。
排水口・排水ホースはあまり目にする箇所ではないため、汚れが溜まっていることに気付かないこともあるでしょう。しかし、排水口や排水ホースは、洗濯物に付いた汚れや糸くず、ホコリなどが水と一緒に流れる場所なので、詰まりやすくなっています。だからこそ、脱水を止めないためには定期的にお手入れすることが大切です。
このほか、排水ホースがねじれたり潰れたりしてうまく排水できず、結果として脱水が止まるケースもあります。
排水ホースのねじれが原因の場合はねじれを直し、何らかの圧力で潰れている場合はホースを元の状態に戻しましょう。もし洗濯機の下敷きになっていて排水ホースが潰れているのであれば、専用部品で高さを出す必要があります。
糸くずフィルターが付いている洗濯機は、糸くずフィルターが詰まると排水がうまく行えず、脱水がスムーズにできない状態になってしまいます。
脱水が止まってしまったら、糸くずフィルターが詰まっていないかも確認してみましょう。糸くずフィルターは日頃のこまめなお手入れをおすすめします。
多くの洗濯機には、安全のため蓋ロックセンサーが搭載されています。
蓋ロックセンサーとは、洗濯機の運転中に扉や蓋が開かないよう、自動でロックをかける機能のことです。洗濯機の扉・蓋を閉めて運転をスタートさせると自動的にロックがかかり、運転が終了するまでロックは解除されません。
洗濯機の扉や蓋が開いている場合は、蓋ロックセンサーが作動せず、洗濯機の運転が止まる仕組みになっています。そのため、脱水前や脱水中に突然動かなくなった場合は、扉や蓋が完全に閉まっていない可能性があります。しっかり閉じているか確認しましょう。
また、古い洗濯機を使い続けている場合、蓋ロックの爪部分が振動で折れてしまうことがあります。この場合も、蓋ロックセンサーが作動しなくなり、洗濯機の運転が途中で停止して脱水できなくなります。
もし扉や蓋が開いていないのに途中で脱水できなくなったときは、蓋ロックがちゃんとできているか、爪に問題ないかを確認しましょう。
設置したときは水平だった洗濯機も、振動によって傾くことがあります。洗濯機が傾くと洗濯槽と洗濯機の内側がぶつかって故障してしまう可能性があります。このため、多くの洗濯機は傾きを検知すると自動停止するようになっています。
もし脱水の途中で運転が停止してしまった場合は、洗濯機が水平になっているか確認しましょう。傾いてぐらつきがある場合は、脚の高さを調整して水平に直す必要があります。
上述したポイントを確認しても、脱水ができない場合は洗濯機内部の故障の可能性が高くなります。その際、修理と買い替えのどちらで対処すべきか悩むこともあるかと思います。そんなときは「洗濯機の使用年数」を基準に考えるのがおすすめです。
たとえば、洗濯機を購入してそれほど期間が経っていないのであれば、メーカーや購入した家電量販店へ修理を依頼するとよいでしょう。故障箇所を直すことで、洗濯機を長く使い続けられる可能性があります。
一方、洗濯機の購入から10年など長い年月が経過している場合は、寿命が近づいている可能性が高いといえます。故障箇所を直しても、短いスパンで別の箇所が故障することが想定されるので、買い替えたほうが修理費なども含めたトータルコストを抑えられる場合もあるでしょう。
※洗濯機の平均使用年数は、「消費動向調査 2023年3月 内閣府調べ」では約10年とされています。
洗濯機の修理が必要な場合、どこに依頼すればよいのか悩んでしまうこともあるかと思います。
一般的には、洗濯機を製造したメーカーか、購入した家電量販店に依頼することになります。判断に迷った場合は、以下を参考にしてみてください。
ほとんどの洗濯機にはメーカー保証が付いています。保証期間内であれば無料で修理してもらえる可能性があるので、そのときはメーカーに依頼するのがおすすめです。
ただし、これまでに洗濯機をメーカー以外で修理したことがある、または自分で修理しようと分解したことがある場合は断られるケースもありますので、あらかじめ理解しておきましょう。
洗濯機を購入した店舗・サイトでも修理に対応してくれることがあります。メーカー保証とは別に独自の保証を付けている店舗・サイトもあるので、洗濯機を購入したときの保証書や明細書を確認して問い合わせてみましょう。
洗濯物を脱水できないトラブルを避けるには、日頃から以下の2つを心がけることが大切です。
まずは、洗濯機を正しく使用する必要があります。以下のチェック項目を参考に、正しい使い方ができているかどうかを確認しましょう。
□洗濯物を詰め込みすぎていないか(容量の7〜8割にとどめているか)
□防水性の衣類や分厚いマットなど、洗濯機で洗うのに向かない洗濯物を入れていないか
□洗剤や柔軟剤は適量か
そして、洗濯機をこまめにお手入れすることも忘れてはいけません。以下のチェック項目を確認しながらお手入れを進めましょう。
□排水ホースにねじれや折れがないか確認する
□排水口や排水ホースの汚れを取り除く
□糸くずフィルターのゴミを取り除く
洗濯機を使っていると、脱水できないこと以外にもさまざまなトラブルが起こり得ます。以下で、よくあるトラブルとその対処法を確認しておきましょう。
洗濯物は適量なのに洗濯槽が回らない場合は、パルセーターのネジが緩んでいたりゴミが詰まっていたりする可能性が考えられます。まずは洗濯物を取り出し、パルセーターにゴミなどが詰まっていないか確認しましょう。詰まりが確認できない場合や、ゴミなどが詰まっているけれど取るのが難しそうな場合は、自分で対処しようとすると洗濯機を壊してしまう恐れがあるので、無理にやろうとせずに修理業者に対処してもらいましょう。
洗濯機から水が漏れている場合は、最初にどこから水漏れしているのかを確認してください。
たとえば、排水ホースから水漏れしている場合は汚れの詰まりが原因の可能性があるため、お手入れするのが望ましいでしょう。蛇口との接続部から漏れている場合は、蛇口を締め直すか、もしくはホース交換をすることで水漏れが止まることがあります。
なお、洗濯機から水漏れする原因とその対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
洗濯機から水漏れ!慌てないために押さえておきたい主な原因と対処法
洗濯機から異音がする場合は、速やかに停止させて洗濯機の中を確認してください。衣類のチャックなどの金属が洗濯槽に当たって音がしている可能性もあるので、疑わしいものは一旦取り出して再度運転させてみましょう。
それでも異音がおさまらない場合は、洗濯機の内部に異物が入り込んでいたり部品が破損していたりする可能性があるため、修理業者に見てもらうとよいでしょう。
給水されない場合は、蛇口が閉まっているだけの可能性があります。まずは、蛇口が開いているか確認しましょう。
このほか、給水ホースに汚れが詰まっている場合もあるため、お手入れしてみるのもおすすめです。蛇口が開いていて給水ホースが詰まっていないのに給水されないのであれば、故障の可能性が考えられます。
エラーメッセージが表示されたら、取扱説明書やメーカーのホームページを確認し、記載内容に従って対処をしてください。それでもエラーメッセージが消えない場合は、修理を依頼する必要があります。
なお、洗濯機が故障する原因や対象法については以下の記事でご紹介しています。併せてご確認ください。
洗濯機が故障したときの原因や対処法を徹底解説
洗濯機の電源がつかない場合は、まずコンセントがしっかりと差し込まれているかを確認しましょう。コンセントがささっているのにもかかわらず洗濯機の電源がつかないのであれば、ほかの機器をコンセントに接続して通電しているか確認してください。ほかの機器だと使用できるのであれば、コンセント側に問題がないと判断できます。この場合、洗濯機自体に問題がある可能性が高まりますので、修理を依頼する必要があります。
脱水ができない原因は必ずしも故障とは限らず、洗濯物が片寄っていたり、量が適切でなかったりというケースが少なくありません。また、排水口や排水ホース、糸くずフィルターの詰まりも脱水できない原因になり得る箇所です。さらに、洗濯機の扉や蓋が開いていたり、洗濯機本体が傾いていたりなどが原因で脱水できなくなっている可能性も考えられます。そのため、まずは脱水ができていない原因を追求し、その上で本当に修理や買い替えが必要かを考えることが大切です。
また、洗濯機のトラブルは脱水時だけではありません。洗濯機が回らない、洗濯機から水が漏れている、異音がする、給水されない、洗濯機そのものの電源がつかないなど、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。このため、万が一に備えて頻度の高いトラブルと、その対処法を把握しておくと「いざ!」というときに安心です。洗濯機の故障を防ぐためにも、日頃から正しく扱うことを心がけましょう。