アタッチメントを切り替えるだけで、さまざまな箇所の掃除に活用できる高圧洗浄機。その最大の特徴である「高圧な水の噴射」が、どのような仕組みで実現されているかご存じでしょうか?今回は、高圧洗浄機の仕組みをはじめ、洗浄力の強弱を決める4つの要素、水圧をコントロールする方法などをご紹介します。高圧洗浄機の構造や仕組みを知りたい方や購入を検討されている方は、ぜひご参考にしてください。
高圧洗浄機は、高圧の水を噴射し、その力で汚れを洗い流す掃除器具です。以下で高圧洗浄機の構造と仕組みをご紹介します。
高圧洗浄機は一般的に、本体・電源・給水ホース・高圧ホース・トリガーガン・ノズル等で構成されており、本体内部にはモーターとポンプが組み込まれています。
使用する際は、給水ホースを蛇口に装着し、本体内部に水道水を供給します。給水された水は、ポンプの力によって高い圧力がかかり、トリガーガンを引くことで噴射されます。
高圧洗浄機が高圧の水を噴射する仕組みには、「パスカルの原理」が用いられています。
パスカルの原理とは、密閉状態の容器の一部に加わった圧力(P)が、容器内の液体全体に均等に伝わるという原理です。これを応用することで、小さな力で大きな圧力を生むことができるのです。
高圧洗浄機の洗浄力は主に、「吐出距離」「吐出角度」「圧力」「水量」の4つの要素で構成されています。
吐出距離とは、高圧洗浄機のノズルから洗浄対象物までの距離のことです。吐出距離が遠くなると洗浄対象物に届くまでの間に水の勢いが弱まってしまうため、洗浄力も低下します。
吐出角度とは、水を噴射する角度のことです。
高圧洗浄機のノズルチップ(ノズルの先端に取り付けるパーツ)を変えることで吐出角度を調整できます。吐出角度が小さいほど噴射面積が狭くなるため、圧力が高くなります。一方で、吐出角度が大きくなると水を噴射できる範囲が広がり、圧力は低くなります。そのため「洗浄力を高めたい」という場合は吐出角度を小さくするとよいでしょう。
吐出圧力とは、高圧洗浄機の水圧のことです。カタログや取扱説明書に「Mpa(メガパスカル)」という単位を用いて記載されているため、その数字を確認してみましょう。
高圧洗浄機の圧力には「最大許容圧力」と「常用吐出圧力」の2種類があります。
最大許容圧力とは、ポンプが耐えられる最大の圧力のことです。高圧洗浄機使用時、常にこの圧力で水が出るわけではないので、最大許容圧力が高かったとしても洗浄力が高いというわけではありません。
一方で常用吐出圧力とは、実際に高圧洗浄機を使用する際に噴射される水圧のことです。常用吐出圧力の数値が高い製品を使用すれば、高い圧力で汚れを落とすことができます。
吐出水量とは、高圧洗浄機が噴射する水の量のことです。水量の数字が大きいほどたくさんの水を噴射できます。
泥や砂などを洗い流す場合などは吐出水量が多い製品がおすすめです。一方で、なるべく節水したい場合には、吐出水量が少ない製品がおすすめです。
水量にも「最大吐出水量」と「常用吐出水量」の2つがあるため、それぞれの違いを把握しておくようにしましょう。
高圧洗浄機の水圧は、洗浄する物によって変えなければなりません。そこで以下では、高圧洗浄機の水圧をコントロールする方法を2つご紹介します。
高圧洗浄機の水圧は、ノズルで調整することが可能です。前述したように、ノズルの吐出角度が小さいと噴射面積が狭くなり水圧が強くなります。反対に、吐出角度が大きいと噴射面積が広くなり圧力が分散されるため、水圧は弱まります。
このほか、噴射する距離で調整する方法もあります。対象物までの距離が近いと強い水圧で洗浄でき、離れていると水圧は弱まります。そのため、高圧洗浄機を使用する際は、まず少し離れた場所から洗浄対象物に向けて水を噴射しましょう。それから徐々に洗浄対象物に近づくことで、高い水圧に調整していくことができます。
以下では、高圧洗浄機を使って掃除すると効率がいい場所をご紹介します。
なお、製品によって付属のアタッチメントが異なるため、掃除ができる場所も変わってきます。高圧洗浄機を使用する前に、掃除する場所に適したアタッチメントがあるかを確認するようにしましょう。
高圧洗浄機は洗車する際に使用するのがおすすめです。特に汚れやすいタイヤの溝には高圧の水が入り、汚れが落としやすくなります。
さらに、高圧洗浄機の製品によっては車掃除専用のカーキットが付属しています。カーキットにはカーシャンプーを泡状にして噴射できるアタッチメントや、車体を磨くための回転ブラシのアタッチメントなどがあります。これらのアタッチメントを使用することで、車の掃除がラクになり時短も期待できます。
なお、高圧洗浄機を使った洗車に関しては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
高圧洗浄機を使って洗車するメリット・デメリット(注意点)や選び方を解説
高圧洗浄機は、玄関まわりを掃除する際にも役立ちます。ブラシが付いたアタッチメントを使用することで、頑固な汚れを効率よく落とせるでしょう。
また、ブラシ付きのアタッチメントならブラシの中央から水が出るため飛び跳ね防止になり、たたき(靴を脱ぐ場所)の掃除にも活用できるでしょう。
外壁を掃除する際、ホースの水だけではこびりついた汚れは落としにくいものです。その点、高圧洗浄機なら高い水圧で洗浄できるため、頑固な汚れも取り除きやすいでしょう。また、高くて手が届きにくい場所も、延長ノズルを使用すれば楽に掃除できます。
なお、外壁の素材によっては高圧洗浄機の使用が適さないものもありますので、注意が必要です。
窓・網戸の掃除しにくい箇所も、高圧洗浄機なら楽に掃除できます。もし「水圧が強くて窓を傷つけないか心配」という場合は、前述したようにノズルや噴射距離で水圧を調整するようにしましょう。
なお、高圧洗浄機の使い方については以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
高圧洗浄機を初めて使う方必見!使える場所や使い方、注意点をまとめてご紹介
高圧洗浄機を取り扱っているメーカーは複数ありますが、その中でもとくにおすすめなのは「ケルヒャー」です。
洗車や家まわりのお掃除に便利!音を気にせず高圧洗浄できる、水冷式静音タイプの高圧洗浄機です。
高圧洗浄機は、小さな力を大きな力に変える、パスカルの原理を応用して高圧の水を噴射しています。
高圧洗浄機は、今回ご紹介したようにさまざまな箇所の掃除に活用できるため、ぜひこの機会に購入をご検討してみてはいかがでしょうか。