フルハイビジョンテレビを上回る高精細な映像が楽しめる「4Kテレビ」。最近では目にする機会も増え、日常で欠かせない家電の1つ!という方も多いのではないでしょうか。 テレビ市場では主流のモデルといっても過言ではないと思いますが、そもそも「4Kテレビ」とは何なのか、具体的な特長・魅力をご存じですか? 改めて聞かれると……というそんなあなたに、今回は4Kテレビについての基本的な知識から、4K対応テレビと4Kチューナー内蔵テレビの違い、4Kテレビのメリット、注意しておきたいポイントなど解説していきます!
まず4Kテレビとは、フルハイビジョンテレビ(フルHD/2K)の4倍高精細な表示が可能なテレビのことをいいます。近距離で視聴しても映像がきれいに見えるのはもちろんですが、画素数が多いため大画面でも映像の粗(あら)が目立たず、臨場感に優れており、「きれいで迫力のある映像を楽しみたい」という方には、とくにおすすめのテレビになります。
それでは、4Kテレビと従来のテレビには、どのような違いがあるのか見ていきましょう。
4Kテレビと従来のテレビ(以下 代表例としてフルハイビジョンテレビを紹介します)の大きな違いは「画素数」にあります。
画素数とは、映像を構成する「色の点」の数を指します。同じ画面サイズの場合、この数が多いほど一つひとつの点が小さくなるため、複雑な色彩の映像表現も可能になります。加えて、動きもなめらかに映し出すことが可能になります。反対に、画素数が少ないと一つひとつの点が大きくなるので、粗い映像になってしまいます。つまり、テレビの画素数は映像の画質に大きく影響するというわけです。
4Kテレビとフルハイビジョンテレビでは、画素数が大きく異なります。先述のとおりフルハイビジョンテレビが「1,920画素×1,080画素=約207万画素」であるのに対し、4Kテレビは「3,840画素×2,160画素=約829万画素」となり、4Kテレビはフルハイビジョンテレビの約4倍もの画素数をもっています。そのため、映像美にこだわりたい方は、4Kテレビを選ぶのがおすすめなのです。
「4Kテレビ」の基本知識として、購入する際に気を付けるべきポイントがあります。
ひとくくりに「4Kテレビ」と言われていますが、実は4Kテレビには種類が2つあります。「4Kチューナー内蔵テレビ」と「4K対応テレビ」で、その違いを大きく捉えれば、4Kチューナーがテレビに内蔵されているかどうか、という点になります。
種類 | 特長 |
---|---|
4Kチューナー内蔵テレビ | 新4K衛星放送の視聴に必要な4Kチューナーを内蔵した4K対応のテレビ |
4K対応テレビ | 4K対応のコンテンツを映す機能があるテレビ |
4Kチューナー内蔵テレビの場合、4Kチューナーを別途で用意する必要がないため、手間なく4K放送を楽しめます。ただし、その分だけ価格は高まる傾向にあります。
4K対応テレビの場合は、4K映像を映すことはできますが、4Kチューナーが搭載(内蔵)されていないため、テレビ単独では4K放送を受信できません。このため、4Kチューナー内蔵テレビと比較すると低価格で販売されている傾向にあります。これから新たに4Kテレビを購入する際は、価格面だけを優先して決めるのではなく機能面にも着目して、4Kチューナー内蔵テレビか、4K対応テレビかを決めるとよいでしょう。
4Kテレビを購入し、早速テレビを見てみよう!と電源を押したけど映像が映らない……なんてことはありませんか?また、4K画質を見てみたい!と4Kテレビを購入したけど、4Kコンテンツが見れているのかわからない……という方もいらっしゃるかと思います。
4Kテレビで番組を見る方法は、「地上波放送」か「4Kコンテンツ」かによって異なります。
4Kテレビで地上波放送を見る場合は、テレビに電源ケーブルやアンテナ線などの必要なコードを繋ぐだけでOKです。アンテナは別途必要ですが、地上波用のテレビチューナーは基本的に内蔵されているので簡単に視聴することができます。
2022年11月現在、地上波放送での4Kまたは8K放送の放送開始予定はありません。
現在の4Kコンテンツは後述する衛星放送やインターネットでの4K動画などになります。
4Kテレビで視聴できる4Kコンテンツは、BS4K・110度CS4Kに加え、インターネットでの4K動画などがあります。
BS4K・110度CS4Kを視聴するには、新4K衛星放送に対応したチューナーとアンテナが必要になります。インターネット上の4K動画などを楽しむ場合はインターネット回線接続が必要になります。また、視聴するコンテンツによっては会員登録が必要な場合や別途費用が発生するケースもあります。
アンテナに関しては、すでに使用しているBS・CSのものでは新4K衛星放送の情報をすべて受信できない可能性があります。そのため、確実にすべての4Kコンテンツを楽しむなら、新4K衛星放送に対応しているアンテナに交換することをおすすめします。ただし、新4K衛星放送を視聴せずに、地上波や従来のBS、110度CS放送のみを視聴する場合には、現在のアンテナをそのまま使用できます。
4Kテレビは「画素数が多いため大画面でも映像の粗が見えにくく臨場感に優れている」というメリットがあります。ただそれだけではないんです。
以下で4Kテレビの特長を見ていきましょう!
4Kテレビの画素数は約829万画素です。前述したとおり、フルハイビジョンの約4倍の画素数があるので、大画面で見ても細部まで高精細な画質ということになります。フルハイビジョンテレビでは再現するのが困難だった美しい映像表現を実現しているのが、4Kテレビならではのメリットです。
メーカーや機種によっては、地上波放送やBS・CSの4K解像度に満たない映像を4K解像度に自動変換するアップコンバート機能が搭載されています。つまり、テレビが自動的に画質をよくする処理機能が付いているということです。変換後の映像の見え方はメーカーによって多少異なるものの、高精細な映像で楽しめるようになります。
4Kテレビの場合、視聴距離が短くても映像の粗さが気にならないことが特長です。画面が同サイズであれば、フルハイビジョンテレビの視聴距離の約半分の位置から見ても、きれいな映像を楽しめるといわれています。たとえば、フルハイビジョンテレビの視聴距離が3mだとすると、同じサイズの4Kテレビなら1.5mの位置で見ても高精細な映像を楽しめるというわけです。これも画素数が上がったことが理由ですが、視聴距離を短くできるということは視界全体に映像が広がるので、より臨場感を堪能できます。
フルハイビジョンテレビの最適視聴距離は「画面の高さの約3倍」といわれており、
4Kテレビの最適視聴距離は「画面の高さの1.5倍」といわれています。
メーカーによってテレビサイズは若干異なりますので、実際に高さを図る、もしくは調べていただき、それを1.5倍していただければ目安の距離がわかります。
この目安を押さえておけば、部屋の広さに合った4Kテレビのサイズがわかるようになるため、テレビ選びの失敗を防ぎやすくなります。
以下、テレビのサイズに関する記事になります。ご参考にされてください。
テレビのサイズはどれくらいが適切?失敗しない選び方をご紹介
離れて見ても近くで見ても高精細な映像を楽しめるなら、4Kテレビを購入すればいいじゃん!と思われる方もいらっしゃると思いますが、購入・利用するにあたって注意しなければならないこともあります。
以下のことを踏まえて検討をしましょう!
テレビの購入を検討されている方の中には「小さいサイズの4Kテレビが欲しい」「小さなテレビで4Kコンテンツを楽しみたい」と希望する方もいらっしゃるかもしれませんが、4Kテレビの多くは50V型前後のサイズになっており、小さい画面サイズの4Kテレビは現状、発売されていません。
今後は小型の4Kテレビが発売される可能性はありますが、今のところは50V型前後が多いため、部屋の大きさに合うかどうかを十分に考慮した上で購入するようにしましょう。
では、なぜ小型サイズの4Kテレビがないのか気になりますよね。そもそもテレビには、大画面になればなるほど画面の粗さが目立つという問題があります。ところが4Kテレビはフルハイビジョンテレビの4倍ものきめ細やかさで高精細な画質なので、画面が大きくなっても画面の粗さが気になりにくくなっています。逆に画面が小さいと映像の粗が見えにくいため、画素数が少なくても十分な映像美を実現できます。このため、大画面テレビに比べて小型テレビになればなるほど4Kの高精細画素の恩恵は小さくなるのです。
新4K衛星放送を楽しむためには、新4K衛星放送用のチューナーに加えて、対応アンテナなどが必要になります。場合によっては設置工事が必要になったり、別途契約が発生したりしてテレビ本体以外の費用が生じます。決して安価とはいえないものなので、4Kテレビを購入する際はこの点も念頭に置いておくことが大切です。
前述しましたが、現状では地上波コンテンツの4K放送開始の目処は立っていません。現時点で4Kテレビで楽しめるコンテンツは、BS4K・110度CS4K放送、インターネット動画、そしてビデオカメラや一眼レフなどで撮影した4Kムービーなどになります。日々、4K対応コンテンツは増えており、また4K放送でなかったとしてもアップコンバート機能により、高画質な映像を楽しんでいただけるようになったと思いますが、4Kテレビを購入する際はこの点にも留意しておきましょう。
4Kテレビを選ぶ際、どのようなポイントに着目したらよいのでしょうか?
テレビの知っておきたい基礎知識も踏まえて、確認していきましょう!
4Kテレビのパネルは、「液晶」と「有機EL」の2つのタイプがあります。
「バックライト」と呼ばれる発光装置を光源に、液晶で光量の調整を行い、カラーフィルターを通して映像を表現しているのが「液晶テレビ」と呼ばれるものになります。多くのメーカーから販売されているためサイズ展開が幅広く、商品のラインナップも豊富です。
液晶パネルには、さらに「IPS方式」と「VA方式」の2種類があります。IPS方式は視野角が広いため、テレビを横方向から見ても画面の見え方が変わりにくい特長を持っています。
一方VA方式は、明るくコントラストに優れています。じっくり正面から視聴することが多い場合はVAパネルを選択するのもおすすめです。
有機ELは、パネルそのものに光源となる自発光式のディスプレイが搭載されています。そのためバックライトがなく、薄型で軽量なのが特長です。薄型で軽量なので壁掛けに適しているとも言われており、テレビを設置しても部屋をすっきりスマートにすることができます。
さらに、自発光式のディスプレイなので、黒の表現が得意でコントラスト比に優れており、ワンランク上のリアルな映像を堪能できるのも有機ELの特長のひとつです。また視野角が広く、正面以外からでも美しい映像が楽しめます。
チューナー数とは、テレビ番組を同時に録画できる数のことをいいます。たとえば、チューナー数が1基の場合、録画中だとほかの番組は見られません。これが2基であれば、見たい番組を視聴しながら裏番組を録画できます。つまり、チューナー数が多いほど、同時に録画できる番組の数も多くなるわけです。チューナー数はあとから追加できないので、購入前にしっかりシミュレーションしておきましょう。
テレビを選ぶ際は、動画配信サービスに対応しているかもチェックしましょう。動画配信サービスは、テレビのメーカーや製品によって対応可否が異なります。購入予定の4Kテレビが希望する動画配信サービスに対応していない場合には、視聴することができません。別売りの機器やケーブルなどを使えば視聴できるケースもありますが、まったく見られない場合があるので、テレビを購入する前に確認しておくことが大切です。
4Kテレビで迫力のあるサウンドを楽しみたい方は、音質などのスピーカー性能も確認しておきましょう。基本的な音の性能は「音出力数」で確認ができます。くわえて、立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」を採用したテレビなら、映画館にいるかのような臨場感のあるサウンドを体感できます。またメーカーごとに独自の機能を搭載しているモデルもあるので、チェックしたいポイントの1つと言えます。
それだけで美しい映像を楽しめる4Kテレビですが、さらに美しさを堪能できる機能を搭載しているかによって、購入する製品を選ぶという方法もあります。下記のような機能の搭載有無をチェックしてみましょう。
4Kアップコンバート機能とは、4K解像度に満たないデジタル放送やDVD、ブルーレイなどの画質を4K解像度に近づける機能のことです。この機能が搭載されていれば、4K映像でなくても4K相当の高精細で美しい映像を楽しむことができます。
HDRはハイダイナミックレンジの略称で、HDR機能とは、画面の色をより鮮明に映し出す機能のことをいいます。たとえば、明暗差が激しい映像の場合、白飛びや黒つぶれが起きて映像が見えづらくなります。しかし、HDR機能が搭載されていれば、高コントラストな映像表現で白飛びや黒つぶれを抑えるため、よりリアルな映像を映し出すことができます。
倍速再生機能とは、通常1秒間に60フレームのコマ数を120フレームに増やすことで、なめらかな映像を映し出せる機能のことです。スピード感のある映像のチラつきや残像を抑えるため、スポーツ番組やアクション映画などをよく視聴するという方や、ゲームをプレイするという方におすすめです。
音声操作機能とは、音声で音量やチャンネルを変更できる機能のことをいいます。リモコンに話しかけるタイプとGoogleアシスタントなどのスマートスピーカーを使うタイプの2種類があります。機種によっては、インターネット検索する際の文字入力も音声で行えるため、手動で入力する手間を省くことができます。
では、代表的なテレビメーカーではどのような4Kテレビを扱っているのでしょうか? 各メーカーが販売している4Kテレビの特長と、ご自身の生活環境を照らし合わせ、最適なものを見つけてみましょう。
なお、こちらに記載されている情報は2022年11月時点のものであり、製品ごとに搭載されている機能は異なります。
TVS REGZAの「REGZA(レグザ)」は、一部製品に搭載されている録画予約なしで過去の番組を視聴できる「タイムシフトマシン」機能で人気です。また、TVS REGZA独自の「超解像技術」によって4Kコンテンツだけではなく、インターネット動画をはじめとするさまざまな映像も高精細な画質で再現できるため、映像美にこだわりたい方にとくにおすすめです。
「テレビ REGZA」で商品を探すシャープは、「AQUOS」シリーズが有名となっています。鮮やかな発色が魅力の有機ELパネルを採用した「4K有機ELテレビ」を展開しています。有機ELパネルの輝度性能を高める独自の「Sparkling Drive」を搭載し、明暗のメリハリ度合いを高め、明るいシーンでは色鮮やかに描くなどの映像美を実現しています。また、画面の角度を調整できる「回転式スタンド」をほとんどの4Kテレビに搭載していることから、利便性の高さも兼ね備えているといえます。
「テレビ シャープ」で商品を探すソニーは、サイズのバリエーションが豊富な「BRAVIA(ブラビア)」シリーズが人気のメーカーです。一部の4Kテレビの液晶には「X-Wide Angle」を採用しており、斜めから見た場合でも鮮やかな映像を実現しています。さらに、音が画面から出る音響技術を搭載した製品もあることから、画質・音響ともに優れた性能を誇っているといえます。
「テレビ ソニー」で商品を探すLGエレクトロニクスは韓国を代表する総合家電・情報通信メーカーで、日本ではテレビやディスプレイを中心に家電製品全般を展開しています。4Kテレビの取り扱いもあり、AIが自動で映像を判別したのち画質を調整・音響を最適化する最先端技術を搭載した製品もあります。このほか、音声操作ができる「マジックリモコン」を備えた製品もあり、4Kテレビ一つひとつに個性があるのが特長です。
パナソニックは、豊富な品揃えが魅力の「VIERA(ビエラ)」シリーズが人気のメーカーです。4Kチューナー内蔵テレビの取り扱いもあるので、新4K衛星放送を手間なく楽しめます。また、高音質設計のスピーカーシステム「ダイナミックサウンドシステム」を搭載した製品もあり、これなら番組に合わせたチューニングによって、音響の本来の魅力を最大限に引き出すことが可能です。
「テレビ パナソニック」で商品を探すハイセンスは、リーズナブルな価格帯ながらも高性能な製品が揃う中国のメーカーです。4Kチューナーを内蔵したU7Hシリーズは、高性能倍速パネルとクリアモーションを採用したことで、動きの速い映像をよりなめらかに映し出します。さらに、AIがネットコンテンツを分析して色濃度や輝度などを自動で処理するため、いつでも高コントラストで自然な色彩の映像が楽しめます。
「テレビ ハイセンス」で商品を探す4Kテレビは、「美しく迫力のある映像を楽しみたい」という方にとくにおすすめです。4Kに満たない映像も4K映像へ自動変換できるため、さまざまなコンテンツを高精細な映像で楽しめます。
ただし、4K映像を楽しむにはチューナーやアンテナなど、別途必要なものを揃えなければならないこともあります。また、サイズについては40V型程度が最小といわれているため、設置場所はあらかじめ確認するようにしましょう。4Kテレビを利用する際にはこうした注意点も考慮する必要があります。購入前に理解を深めておきましょう。