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有機ELテレビとは?特徴やメリット、液晶テレビとの違いをご紹介

なめらかで高画質な映像を楽しめる「有機ELテレビ」。その名を耳にしたり目にしたりしたことはあっても、具体的にどのような特徴・魅力があるのかご存じですか?そこで今回は、有機ELテレビの概要や液晶テレビとの違い、メリットなどについてご紹介します。テレビの購入を検討中の方は、ぜひご参考ください。

有機ELテレビとは

有機ELテレビとは、「有機エレクトロ ルミネッセンス(Electro Luminescence、略称 有機EL)」という電気を通すと発光する有機物が光る現象をディスプレイに採用したテレビのことです。ディスプレイが発光して映像を映し出す「自発光方式」を採用しているため、液晶ディスプレイのようなバックライトが不要になり非常に薄くて軽い形状をしています。従来の液晶テレビの薄さと比較すると、有機ELテレビは約1/10程度となっており、最薄部が約5mm程度の薄さのモデルも製造されています。そのため、省スペースへの配置はもちろん、壁掛けにも適しています。

また、有機ELテレビは高画質かつ広い視野角があり、どの角度から見ても彩度が変わることはほとんどありません。応答速度にも優れているため液晶テレビと比べて動きのある映像にも強く、スポーツ観戦のほか映画鑑賞にも適しています。色の表現に関してはとくに黒色の発色に強く、深みのある黒色を再現できるので、どの角度から見てもリアルな質感で美しい映像を常に楽しむことができます。

では、有機ELテレビと液晶テレビでは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか? 以下にて詳しくご紹介します。

液晶テレビとの違い

液晶テレビは、液晶をパネルに採用したテレビのことです。液晶パネルは大きいサイズから小さいサイズまで生産性に優れ、コストバランスもよく、ブラウン管に比べて非常に鮮明な映像表示が可能だったため、現代の主流となりました。

液晶パネルは自発光することができないためそのままでは明るく表示することができません。このため映像を明るくするためにバックライトと呼ばれる発光装置が必要になります。バックライトの光が赤・青・緑のカラーフィルターを通ることで、多彩な色表現を可能にしています。

そんな液晶テレビと有機ELテレビの違いには、主に以下が挙げられます。

異なるポイント 有機ELテレビ 液晶テレビ
コントラスト比 非常に高く、自発光なので、完全な黒色を表現可能 バックライトの精密さに左右されるため有機ELに劣る
薄さ・軽さ 薄型で軽量 バックライトが必要で厚みがあり有機ELよりも重くなる
視野角 ほぼ180度対応 有機ELより狭い
サイズの選択肢 大型テレビに限られる サイズ展開が豊富

それでは、各項目の詳細を見てみましょう。

コントラスト比

1つ目は「コントラスト比」の違いです。液晶テレビは、先述のとおりカラーフィルターを通して発色するので、原理上の問題で少なからず外に光が漏れ出てしまうという性質を持っています。そのため、明暗が同居する場面では暗部でもバックライトの光が漏れてしまい、完全な黒を表現しにくい構造になっています。一方で、有機ELテレビは自発光できるという点から、必要な画素それぞれを発光、消灯を制御できます。このため液晶と比べて明暗が激しい表現に優れています。

軽さ・薄さ

2つ目は「軽さ・薄さ」の違いです。有機ELは液晶と比べてバックライトが不要になった影響もあり薄く、軽量になりました。この点は、液晶テレビと有機ELテレビの大きな違いといえます。

視野角

3つ目は「視野角」の違いです。有機ELテレビはほぼ180度の視野角を持っています。極端な例だと、テレビをかなり横から視聴しても色味の変化などが少なく見ることができるというわけです。その一方で、液晶テレビは液晶の方式にもよりますが有機ELほどの視野角がありません。このためある程度角度を付けてテレビを見ると正面と比べて色味が変化して見えることがあります。こうした点から、映画鑑賞や大人数での視聴などに関しては有機ELテレビのほうが適しているといえます。

サイズの選択肢

4つ目は「サイズの選択肢」の違いです。2021年7月現在販売されている有機ELテレビの大きさは、48V型以上で、主に展開されているのは55V型や65V型などの大型サイズです。現状では、選択肢の少なさが課題といえます。これに対し液晶テレビは、サイズ展開が豊富です。

その他

液晶に比べて有機ELの方が高価格になっています。コントラスト比に優れ、映像面では液晶より優れた有機ELですが、画面サイズの選択肢も搭載モデルも少ないのが現状です。

有機ELテレビのメリット

では、有機ELテレビのメリットにはどのような点が挙げられるのでしょうか?

高画質

多くの有機ELテレビは、液晶テレビの画質に比べて色彩の表現にメリハリがあり、とくに黒色の再現力は目を見張るものがあります。さらに、色彩表現やコントラスト比に優れているためリアルな映像を映し出すことにも長けており、この点からも有機ELテレビが高画質であることがわかるでしょう。なお、中には8K画質の有機ELテレビを展開しているメーカーもあり、これは4K画質よりもさらに高精細な映像表現が可能になります。

画面の薄さ

有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイよりも薄くなっています。その理由は、バックライトが不要なため。ディスプレイの構造を簡素化できるので、ディスプレイの薄型化を実現できるというわけです。実際、液晶テレビの場合は約5〜7cmの厚さがありますが、有機ELテレビに関しては最薄部分約4.6mmという脅威の薄さのモデルも登場しています。

    

本体の軽さ

有機ELディスプレイにおける構造の簡素化は、ディスプレイを薄型にできるだけでなく、本体の軽量化も可能にしています。液用テレビよりも軽く、壁掛けがしやすいモデルもあります。

視野角の広さ

有機ELテレビの視野角は180度とかなり広く、かなり横からでもテレビを視聴することができます。角度やテレビの位置を気にすることなく、どこからでもきれいな映像を楽しめる視野角の広さは、従来の液晶テレビでの「角度がある位置から視聴する際の見づらさ」を改善したというメリットといえるでしょう。

    

有機ELディスプレイの柔軟性

有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイよりも柔軟性に優れています。その柔軟性は、曲面ディスプレイの実用化にも活かされているほどです。今のところ家庭テレビにはあまり必要のないメリットかもしれませんが、この先さらに新しいものが生み出される可能性を持ち合わせていると解釈でき、それは有機ELディスプレイならではの魅力といえます。

残像感を低減

バックライトを使用せず自発光することから、有機ELテレビは応答速度が速く、残像が生じづらくなっています。高い動画性能により、残像感を低減し、動きの速いスポーツや映画の映像を視聴する際に残像感を低減して美しい映像が楽しめます。

    
    

有機ELテレビを購入する際の注意点

有機ELテレビは安価なものではないので、購入後の失敗は避けたいものです。では、どういう点を注意した方がよいのでしょうか?

価格が高い

有機ELテレビは液晶テレビに比べて製造コストが高いため、その分価格も高くなってしまいます。有機ELテレビが登場した頃に比べると安価になりつつあるものの、その価格は同じサイズの液晶テレビと比較してまだ安いとは言い切れません。そのため、液晶テレビよりも必要な費用がかかることを考慮して購入することをおすすめします。

クッキリ見えすぎる人もいる

有機ELテレビはディスプレイの仕組み上、液晶テレビと比べて特に暗部の表現能力が優れています。より暗い表現が可能になるため、コントラスト比が液晶テレビよりも大きくなり、明暗差を大きく表現することが可能になります。このため暗いところはより暗く、明るいところはより明るく感じるようになるため映像がクッキリします。人によってはこのクッキリ感がきつく感じることもあるため、設定などで画質調整を行うとよいでしょう。

消費電力が多い

液晶テレビよりも有機ELテレビは消費電力量が多いので、電気代が高くなってしまいます。メーカーやモデルにもよりますが、年間で考えると1,000円以上の違いが出ることもあります。初めて有機ELテレビを使用する際は、電気代が液晶テレビの時よりも高くなる可能性があることも、覚えておきましょう。

映り込みが多いものがある

有機ELテレビは、表面がツルツルしている「光沢画面」を採用しているものが多くあります。光沢画面は色彩がきれいに再現されますが、その一方で映り込みが多くなるという一面も。映像を映しているときはそれほど気にならないものの、日光をはじめとする光源が入り込んだり色彩が暗いシーンになったりすると、ストレスを感じることもあるかもしれません。そのため、有機ELテレビを購入する際は、どの程度の映り込みが現れるか前もって確認することが大切です。そうすれば、映り込みへの対策を施しやすくなります。

設置スペースが必要

現在販売されている有機ELテレビの大半は、画面の大きさが55V型(画面表示領域が幅約121cm×縦約68cm)以上で最小でも48V型です。本体サイズは画面縁やスタンド部などがあるためそれぞれの機種を確認するようにしましょう。55V型の最適な視聴距離は、テレビから約102cm程度は離れる必要があります。視聴距離は画面の高さの1.5倍が目安(4K解像度の場合)だと言われ、画面サイズが大きくなると視聴距離も大きくなります。

テレビを設置するスペースだけでなく、視聴距離を確保できるかを確認することをおすすめします。

    

テレビの各メーカーの特徴

各メーカーが販売している有機ELテレビの特徴と使用環境を照らし合わせ、最適なものを見つけてみましょう。

東芝

東芝「REGZA(レグザ)」は、上位モデルに搭載されている番組毎の録画予約なしで過去の番組を視聴できるタイムシフトマシン機能が大人気のメーカーです。鮮やかな発色と奥深い黒色の対比で、臨場感あふれる高画質が楽しめます。4Kだけでなく地上波放送の表現にも力を入れているメーカーなので、テレビ放送を楽しむ機会が多い方におすすめです。

シャープ

シャープ「AQUOS」は、有機ELパネルの輝度性能を高める独自技術「Sparkling Drive」を搭載し、明暗のメリハリ度合いを高め、明るいシーンでは色鮮やかに描くなどの映像美を実現しています。なお、8K高画質技術を応用した4K画像処理エンジン「Medalist」シリーズを搭載し、高精細、色鮮やか、高コントラストの映像が楽しめます。

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ソニー

ソニーは、サイズのバリエーションが豊富な「BRAVIA(ブラビア)」シリーズが人気のメーカーです。2021年7月現在、最小サイズで48V型、大きいサイズには83V型があり、部屋の広さに合わせた選び方ができます。BRAVIAシリーズの有機ELテレビの魅力は、何といっても高画質プロセッサーです。映像をリアルタイムで分析し、その結果をもとに最適な色と明るさを実現することで、高品質な映像を実現。また、テレビ画面からそのまま音が出る「アコースティック サーフェス オーディオ」の搭載により、クリアな音質も楽しめます。

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LGエレクトロニクス

LGエレクトロニクスは、コストパフォーマンスに優れた有機ELテレビを販売しています。自社生産することで、高品質ながら他メーカーに比べ低価格での販売を実現しています。同じ画面サイズで同程度の機能の場合、ほかのメーカーと比較して安価な場合があり、コストを抑えつつ有機ELテレビを購入したい方は、LGエレクトロニクスを選ぶとよいかもしれません。

Panasonic

パナソニックは、豊富な品揃えが魅力の「VIERA(ビエラ)」シリーズが人気のメーカーです。ハイビジョンの液晶テレビから4K有機ELテレビまで、幅広く取り扱っています。有機ELテレビには立体音響技術「Dolby Atmos」を採用しており、部屋にいながら映画館のような臨場感あるサウンドを体験できます。また、独自設計された構造と素材により高コントラストを実現しています。

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有機ELテレビの焼き付きとは

有機ELテレビの気になるポイントのひとつに「焼き付き」が挙げられます。これは、長時間同じ画面を表示し続けたときに、その画面の残像が残って見えてしまう現象のことです。

画面の明るさを抑える

画面の明るさを抑えることで、長時間同じ場所に表示されるロゴなどの焼き付きを抑制することができます。

こまめに電源を切る

こまめに電源を切ることで、長時間にも及ぶテレビのつけっぱなしを防げます。そうすれば、焼き付きの1番の原因である「同じ画面を長時間表示する」という状況を回避することが可能です。

同じ画面を長時間表示しない

有機ELテレビを使用するにあたり、映像を一時停止ししたまま長時間その場を離れたり、同じ場所に特定のロゴが出続ける映像・ゲームを長時間映し続けたりするのは望ましくありません。先述のとおり、同じ画面を長時間表示することが焼き付きの原因のため、有機ELテレビを長時間使用する場合は、こまめに映像を変えるなどの配慮を心掛けましょう。

スクリーンセーバー機能や焼き付きに配慮した機能をもつモデルもある

一定時間同じ画面のままだと画面が切り替わるなどのスクリーンセーバー機能や、焼き付きに配慮した機能を搭載したモデルもあります。詳細はメーカーホームページや取扱説明書を確認しましょう。

    
    

まとめ

テレビの購入や買い換えの際、「どれを選ぶのが正解なの?」と悩む方は多いかもしれません。今回ご紹介した有機ELテレビは、薄くて軽量なだけでなく高画質・高発色となっているため、映像美にこだわりたい方にはとくにおすすめです。ただし、デメリットや注意点もあるので、あらかじめその点を理解しておくことも大切です。

有機ELテレビならではの特徴を考慮し、ご自身の生活スタイルに合った最適なテレビを見つけてみてください。