新しく洗濯機を買うことになり「縦型洗濯機にしよう」と決めたはいいものの「どのメーカーのどの機種にしていいか分からない!」と悩まれる方もいらっしゃることでしょう。「縦型洗濯機」と一言で言っても、さまざまなモデルを各メーカーがラインナップしているので、自分のライフスタイルにあった機種を探すのは大変です。今回は縦型洗濯機の特徴・魅力や製品選びのポイント、注目機能やおすすめ製品についてもご紹介します。洗濯機を長持ちさせるコツも解説しているので、ぜひご参考にしてください。
縦型洗濯機について理解を深めるために、まずはその種類と、魅力や特徴について押さえておきましょう。
縦型洗濯機は、「乾燥機能付き(洗濯乾燥機)」と「乾燥機能なし(全自動洗濯機)」の2種類に大別できます。
洗濯乾燥機は、基本の洗い・すすぎ・脱水にくわえて、乾燥機能も付いた洗濯機です。衣類を乾かす時間を短縮できるので、雨の日や素早く洗濯物を乾かしたいときに役立ちます。
全自動洗濯機は、基本の洗い・すすぎ・脱水までを行う洗濯機です。モデルによっては「風乾燥機能」が搭載されており、洗濯物を干す時間をある程度短縮することが可能です。
縦型洗濯機は、洗濯槽の底にあるパルセーター(回転羽根)を回転させ、水流や衣類同士の摩擦を生み出しこすり洗いすることで衣類をきれいにします。ドラム式と比べて水を多く使う傾向がありますが、その分しっかりと洗浄できる、という特徴があります。
そんな縦型洗濯機の魅力はいくつかありますが、洗浄力の高さだけではなく「比較的価格が安い」ということも挙げられます。洗濯機の機能によって価格は変わってきますが、比較的リーズナブルな価格で購入できる製品が多く発売されています。費用を抑えて購入できるのは大きな魅力といえるでしょう。
また、「比較的狭いスペースにも設置できる」という点も縦型洗濯機の魅力です。洗濯機の設置スペースは、あらかじめ決まっていることが多く、置き場所を変えることは難しいものです。そのため、洗濯機の設置スペースが小さめに作られている場合、ドラム式洗濯機を置けないということもありますが、縦型洗濯機であれば小型サイズのモデルも多く展開されていますので、限られたスペースでも設置できるものが見つかりやすいでしょう。
ライフスタイルに合った縦型洗濯機を購入するために、製品を選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。
縦型洗濯機を選ぶ際は、洗濯機の使用頻度と洗濯物の量を考慮することが大切です。
洗濯容量とは1回の洗濯で洗える洗濯物の量のことで、洗濯機本体や取扱説明書に「5kg」「8kg」など、「kg」単位で記載されています。
洗濯物の目安は、おおよそ1日あたり1人約1.5kgといわれています。この目安をもとに計算すると、たとえば4人家族の場合は約6kgになるので、洗濯機の洗濯容量も6kg必要になります。ただし、容量ギリギリまで洗濯物を詰め込んでしまうと、洗濯物の汚れが落ちにくくなってしまうため、6kgよりも余裕を持たせて大きめの容量を選ぶとよいでしょう。
また、洗濯を毎日せずに、ある程度溜まってからまとめて洗う、というご家庭の場合は、洗濯容量が11kg以上の大型洗濯機を選ぶのもおすすめです。
洗濯機は容量が大きくなれば、その分だけ本体サイズも大きくなります。搬入経路と設置場所を考慮せずに選んでしまうと、購入した後に「設置できない」という事態になってしまうこともあります。
そうしたトラブルを避けるためにも、縦型洗濯機の搬入経路と設置予定場所のサイズは、購入前にあらかじめ測っておくようにしましょう。
洗濯機を設置場所まで運ぶための搬入経路のサイズは必ず確認しましょう。搬入経路には、玄関や廊下、階段、ドアなどがあり、またマンションなどではエレベーターや通路などの共用部も含まれます。
設置業者によっては、洗濯機のサイズにプラスして必要な搬入するためのスペースが決まっていることもありますので、購入するお店で事前に確認しておきましょう。
なお、設置場所が2階以上でエレベーターがない場合は、搬入の手数料がかかる場合もあります。こちらも購入前に確認しておきましょう。
縦型洗濯機の扉は上部にあり、開けた際に高さが出ます。そのため、設置場所の上部に「洗濯機の扉を開ける際に邪魔になるもの」がないか確認もしておきましょう。
縦型洗濯機のなかには扉を折りたたむことができない製品もあるので、あらかじめ扉がどの程度開くのかを確認しておくと、よりスムーズにスペースを確保できるでしょう。
また、縦型洗濯機を選ぶ際は、設置場所のサイズにぴったりのものではなく、壁にあたらずに設置できるサイズのものを選ぶのも重要なポイントです。
縦型洗濯機を壁にぴったりくっつけて設置してしまうと、運転中の揺れにより洗濯機と壁がぶつかり、騒音が発生する場合もあります。そうした事態を防ぐためにも、測ったサイズよりもひと回り小さな洗濯機を選ぶようにしましょう。
乾燥機能付きの縦型洗濯機の場合、主に「ヒーター式」という乾燥方式が採用されています。ヒーター式は、ヒーターによって温風を発生させ、洗濯物を乾かす仕組みです。
さらにヒーター式は、洗濯物を乾かす際に洗濯槽内に溜まる湿気(水分)の処理方法の違いによって「水冷・除湿タイプ」と「排気タイプ」の2つに細分化できます。以下でそれぞれの特徴を説明します。
水冷・除湿タイプは、温風に含まれた湿気を冷却水で除湿しながら洗濯物を乾かします。冷却水を使用するため、洗濯機周りの湿度が上がってしまう心配はありませんが、乾燥時も水道代がかかります。
一方で、排気タイプは湿気を含んだ空気がそのまま洗濯槽の外に排出されるので、洗濯機周りの湿度が上がってしまいます。ただし、水冷・除湿タイプと違って冷却水を使用しないので、その分水道代は抑えられます。
乾燥機能にかかる電気代・水道代はメーカーや製品モデルによって異なるため、購入前に確認することをおすすめします。
洗濯機によっては大きな音が出るので、時間帯を気にして使用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合は、静音性に優れた縦型洗濯機を選ぶとよいでしょう。
音の大きさはdB(デシベル)という単位で表され、通常の会話レベルで40〜60dB程度といわれています。そのため洗濯機の静音性にこだわりたい場合は、「運転音が何dbくらいか」を確認しましょう。
なお、洗濯時と脱水時で音の大きさは異なるので、両方の数値を確認しましょう。
洗剤の投入口は、主に「洗濯機本体のフチに付いているタイプ」と「引き出しタイプ」の2種類です。
洗濯機本体のフチに付いているタイプは、手元近くに備えられているため、洗剤が入れやすいというメリットがあります。
引き出しタイプは投入口が比較的広いので、洗剤がこぼれるのを防ぎやすいというメリットがあります。また、取り外せるタイプであればお手入れのしやすさもアップします。
このように、洗剤の投入口ひとつとっても種類によって特徴が異なるため、縦型洗濯機を選ぶ際は忘れずチェックするようにしてください。
縦型洗濯機には、操作パネルが「手前にあるタイプ」と「奥にあるタイプ」があります。
「操作パネルがどこにあっても、使い勝手はあまり変わらないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、たとえば洗濯機の上に衣類乾燥機やラックなどを置いている家庭の場合、操作パネルが手前にあるタイプを選んだほうが使いやすくなります。といったように、操作パネルの位置によって使いやすさは確実に向上するので、その位置をあらかじめ確認しておくことは大切です。
縦型洗濯機には、さまざまな機能が搭載されています。そこで、とくに注目の機能を5つご紹介するので、洗濯機選びの参考にしてみてください。
洗剤・柔軟剤自動投入機能とは、洗濯のたびに自動で洗剤や柔軟剤を計量・投入する機能です。洗濯機本体にある専用タンクにあらかじめ洗剤・柔軟剤を入れておくと、洗濯のたびに洗濯機が最適な洗剤・柔軟剤を計量し投入するため、毎回計量する手間から解放されます。
温水洗浄機能とは、水を洗濯機のヒーターで温めて、お湯で衣類を洗濯する機能です。また、温風で洗剤を温めるタイプや、温風とミストを衣類に吹きつけるタイプもあります。
温水・温風機能が搭載された洗濯機なら黄ばみなどの汚れを落としやすくなります。
自動お掃除機能とは、黒カビが発生しやすい洗濯槽の裏側を自動で掃除する機能です。洗濯槽の裏側に付着した皮脂汚れや洗剤カスなどを洗い流し、洗濯機そのものを清潔に保つために搭載されています。
メーカーや機種にもよりますが、日々のお手入れには「自動お掃除機能」を使用し、定期的なお手入れとして「洗濯槽洗浄機能」を使うことがおすすめです。
「日々のお手入れの手間を省きたい」という方には、とくに注目してほしい機能です。
洗濯機能(洗濯コース)は、製品によってさまざまです。
たとえば、洗濯の時間を短縮できる「お急ぎコース」や、ニットやセーターなどデリケートな衣類に適している「ドライコース」があります。
洗濯コースによっては、洗い・すすぎ・脱水の回数を減らしたり水流の強さを調整したりできるので、洗濯にこだわりのある方は「どのような洗濯機能(洗濯コース)が搭載されているか」をチェックするようにしましょう。
スマホ連動機能とは、スマートフォンを使って洗濯機を操作できる機能です。洗濯開始時間や洗濯コースをスマートフォンから設定できるので、洗濯物を入れておけば外出先からでも洗濯開始や予約時間の変更をすることができます。
また、帰宅時間に合わせて洗濯・乾燥が終わるよう設定すると、帰宅後すぐに洗濯物をたたむことも可能です。効率的に時間を使いたいという方にとくにおすすめです。
縦型洗濯機の特徴は、メーカーによって異なります。以下で詳しく解説します。
なお、こちらに記載されている情報は2022年9月時点のものであり、製品ごとに搭載されている機能は異なる可能性があります。
日立は縦型洗濯機を多く展開しているメーカーです。
縦型洗濯機の中でも人気なのは「ビートウォッシュ」シリーズ。一部機種には「ナイアガラ ビート洗浄」が搭載されており、衣類に洗剤液をたっぷり散布する大流量のナイアガラシャワーで汚れを洗い流します。さらに、回転羽根で押して、たたいて、もみ洗いをするので、頑固な汚れも落ちやすいのが特長です。
「洗濯機 日立」で商品を探す東芝は、「洗浄技術」と「低振動・低騒音設計」に定評があるメーカーです。
縦型洗濯機の主力商品には「ZABOON」があり、一部機種にはウルトラファインバブル洗浄が搭載されています。ナノサイズの泡が繊維の奥までしっかり浸透するため、頑固な汚れも落ちやすくなります。
このほか、ZABOONは低振動・低騒音設計で静かさを追求しています。そのため、早朝や深夜、赤ちゃんが寝ている時間など、時間帯を気にせず洗濯ができます。
「洗濯機 東芝」で商品を探すシャープの縦型洗濯機の一部機種には、「穴なし槽」が採用されています。洗濯槽に穴がないことによって、洗剤カスや黒カビなどが洗濯槽の裏側に付着するのを抑えます。くわえて、洗濯槽の底裏にはカビが付着しにくいステンレスを採用しているため、いつでもきれいな水で洗濯できます。
シャープの縦型洗濯機には、プラズマクラスターが搭載された製品もあります。これにより、頻繁に洗えない衣類や水で洗えないものも、除菌・消臭効果が期待できます。
「洗濯機 シャープ」で商品を探すパナソニックの縦型洗濯機の一部機種には、洗剤を泡立てて洗濯する「泡洗浄」が搭載されています。濃密泡で汚れを包んだのち浮かせて洗い流すので、頑固な汚れも落ちやすくなります。
さらに、濃密泡のパワフル立体水流で、繊維の奥の汚れもしっかり洗浄します。
「洗濯機 パナソニック」で商品を探すアイリスオーヤマの縦型洗濯機の一部機種には、「部屋干しモード」が備わっています。洗濯物を干す時間を短縮できるだけでなく、しっかり脱水するので部屋干し特有のニオイも防ぎやすくなっています。
さらに、予約タイマー機能も搭載されているので「帰宅時間に合わせて、洗濯物が終わるよう予約をしておく」など、ライフスタイルに合わせて使うことも可能です。
「洗濯機 アイリスオーヤマ」で商品を探すせっかく新しい縦型洗濯機を購入しても、正しい使い方をしていないと寿命を縮めてしまいかねません。長く使い続けるためにも、以下でご紹介するコツを押さえておきましょう。
洗濯機を使用する際、「まだ入るから」と洗濯物をたくさん詰め込んでしまいがちですが、それは望ましくありません。なぜなら、洗濯物をたくさん詰め込むと重くなり、モーターの負担が大きくなるからです。洗濯機を長持ちさせるためにも、洗濯物は規定内の量に留めておきましょう。
規定量は、取扱説明書などに記載されている容量が目安です。
洗濯機を長く使用するには、定期的なお手入れも欠かせません。とくに、洗濯槽の外側はカビが発生しやすいので要注意。カビが原因で洗濯槽が劣化する可能性もあるので、定期的にお手入れをしましょう。
洗濯機によって掃除の方法は異なるので、必ず取扱説明書を確認してください。
洗剤を規定の量より多く入れると溶け残りが発生しやすく、カビの原因になることもあります。カビの繁殖を防ぐためにも、洗剤の量は必ず洗剤裏面の使用量表示を守って使用しましょう。
「洗濯機を使用していないときも、水道の元栓は開いたまま」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
でも、これは避けたほうがいい使い方。水道の元栓を開いたままの状態で放置していると、洗濯機本体や給水ホースに水圧がかかり、部品の劣化が早まる可能性があります。
洗濯機を長持ちさせるためにも、使用しないときは元栓を閉めるようにしましょう。
よくやりがちな、ポケットに小銭やティッシュを入れたままの洗濯。こうしたケースでは、小銭やティッシュがパルセーター(回転羽根)に挟まって、洗濯機が故障する可能性があります。衣類を洗濯機へ入れる前には、必ずポケットの中をチェックしましょう。
屋外に縦型洗濯機を設置すると、日光や雨風などの影響で部品の劣化が早くなる可能性があります。
また、洗濯機の内部基盤に水が入り込んでしまうと回線がショートする恐れもあるので、屋外に設置する場合は洗濯機に専用カバーをかけるようにした方がよいでしょう。
以下の記事では、買い替えのサインについて記載しています。ぜひご覧ください。
洗濯機の寿命はどれくらい?寿命を知らせる要注意サインや長く使用するコツをご紹介
縦型洗濯機は洗浄力以外にも「価格がリーズナブル」「比較的狭いスペースにも設置できる」といった魅力があります。「洗濯機の買い替えを考えているもののできるだけ価格は抑えたい」という場合は、縦型洗濯機の購入をご検討ください。
そして、縦型洗濯機を購入する際は、今回ご紹介した選ぶ際のポイントや注目機能、おすすめ製品をぜひご参考にしてください。