ひとくちに電子レンジといっても、温める機能だけのシンプルなものからスチームを使って蒸し料理ができるものまで、様々な機種が発売されています。電子レンジは、搭載されている機能によって価格やサイズも変わってくるので、自分にとってどんな機能が必要なのかをあらかじめ確認してから選ぶようにしましょう。
この記事では電子レンジの種類や搭載されている機能を解説しながら、自分に合った電子レンジの選び方についてご紹介しています。これから新生活を始める方や、電子レンジを買い替えたいとお考えの方はぜひご覧ください。
電子レンジは搭載される調理機能によって大きく3種類に分かれ、それぞれ価格や作れる料理が変わってきます。この項目では、電子レンジごとの特徴や搭載されている調理機能について詳しく解説しています。まずはここを確認して、自分の使ってみたい機能はどんなものか、どんな料理が作れるのかをチェックしてみましょう。
温めることさえできればいい、という方におすすめなのが単機能電子レンジです。単機能レンジは特別な機能のない、食品を温める機能だけが搭載されたシンプルなレンジです。そのため複雑な操作は必要なく簡単に使うことができ、比較的小型なタイプが多いのでワンルームなどの狭いキッチンでも場所を取らずに設置できます。また価格も安い製品が多いので、お手軽に入手できるのもメリットの一つです。
単機能電子レンジを選ぶときは、念のため電源の周波数に気をつけましょう。私たちが家庭で使っている電気は東日本地域では50hz、西日本地域では60hzと周波数が異なります。最近の電子レンジはどちらの周波数でも使用できる機種が多いのですが、なかには片方の周波数専用のものもあります。対応していない周波数帯の電気で動かそうとすると動作不良の原因になることもありますので、念のためチェックしておくことをおすすめします。
オーブンレンジがあれば食品を温めるだけでなく、オーブンやグリル機能などを使ってさまざまな料理をレンジ1台で作ることができます。具体的には以下のような機能が搭載されているので、どんな料理が作れるかチェックしてみて下さい。
オーブン機能があれば、クッキーやパン、グラタンなどの料理やお菓子をレンジで簡単に作ることができます。また、食材を熱で包み込みじっくりと火を通すことができるので、ピザやステーキなどもふっくらと焼き上げることができます。
グリル機能は、輻射熱によって食材に火を通すため、肉や魚をこんがりと焼き上げることができます。また、トースターや魚焼きコンロがなくてもオーブンレンジのグリル機能で代用することができるため、一人暮らしで調理家電があまり置けないけれどいろいろな料理を楽しみたい、という方にもおすすめです。
スチームオーブンレンジは、オーブン機能に加えてスチームを使った調理ができるタイプの電子レンジです。そのため焼き料理だけでなく、蒸し料理まで作ることができます。以下のような機能が搭載されているので、チェックしてみてください。
この機能を活用すれば茶碗蒸しやシューマイなどの蒸し料理を手軽に作れるのはもちろん、パンやスポンジケーキをふんわりと仕上げることもできます。レンジだけで多種多様な料理を作ることができるので、本格的な料理にも挑戦してみたいという方にもおすすめです。
過熱水蒸気機能はスチームオーブンレンジの上位機種に搭載されている機能で、100度以上に熱した高温の水蒸気で調理できます。「蒸す」調理にくわえてスチームで「焼く」ことができるので、ハンバーグなどの肉料理も水分を逃さず、よりふっくらジューシーに焼き上げることができます。
また、食品の余分な脂や塩分を落としてヘルシーに仕上げてくれるので、毎日の食生活が気になる方も要チェックです。
なおオーブンレンジについては以下の記事でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
オーブンレンジのおすすめ製品をご紹介!失敗しない選び方も徹底解説
同じ種類の電子レンジでも、扉の開く向きやオートメニューの種類などによってさまざまな機種が販売されています。自分に合った電子レンジを見つけるために、以下の7つのチェックポイントを確認してみましょう。
電子レンジを購入する前には、本体のサイズをよく確認しておきましょう。機種にもよりますが、搭載機能が増えるほど、本体のサイズも大きくなっていく傾向があります。いざ設置しようという時になって、置きたかった場所に入りきらないということもあるので、事前に設置したい場所の広さと本体のサイズを確認しておくようにしましょう。
また電子レンジは使用中に熱を放出するので、本体周辺はスペースを空けて設置する必要があります。そのため設置スペースよりも一回り小さく、ゆとりを持った製品を選ぶのがおすすめです。
電子レンジは扉が「横開き」と「縦開き」の機種があります。横開きは高い位置に電子レンジを設置しても扉が邪魔にならず中身が取り出しやすいというメリットがありますが、周囲に物や他の家電があると開けにくくなるので注意が必要です。
一方縦開きは利き手に関係なく扉の開け閉めができるので、誰でも使いやすいことがメリットです。また左右どちらからでも物の出し入れがしやすいですが、あまり高いところに設置すると中身が見えにくかったり扉で出し入れがしにくくなったりすることもあるので注意しましょう。設置する場所や使いやすさによって、扉のタイプを選ぶのがおすすめです。
電子レンジのワット数が大きいほど、より高熱ですばやく食品を温めることができます。500Wや600Wが一般的な出力ですが、より早く温めたい方は700Wや1000Wなどのモデルを選ぶと料理の時短にもつながります。
またオーブンレンジを選ぶ際は、その機種の最高温度も確認しておきましょう。出せる温度が高いほど作れる料理の幅も広がっていくので、自分が作りたい料理からレンジを選ぶのも一つの手です。目安として250℃くらいの温度が設定できれば、ケーキやクッキーなどのお菓子作りはもちろん、グラタンなどの料理も作ることができます。なかには300℃以上の高温を出せる機種もあり、その高火力でグリル料理なども一層おいしく調理することができます。
電子レンジには、各種センサーが搭載されているモデルも販売されています。これらのセンサーはレンジのなかの食品の状態を的確に検知し、自動でその食品に応じた最適な温め方をしてくれます。レンジに搭載されているセンサーの種類は様々ですが、ここではそれぞれのセンサーの特徴についてご紹介いたします。
赤外線センサーは、食品から出る赤外線の量を測定してその表面温度を検知することができます。これにより食品の温度に応じて最適な暖め時間を設定できるため、自動あたため機能などで食品を温める際に使われます。
食品の重さの変化を検知し、加熱や解凍の加減を判断するのが重量センサーです。自動あたため機能や解凍モードで使われます。
グリルやオーブン機能を使用する際に庫内の温度を測るために使われるのが温度センサーです。パンやお菓子、グリル料理などをおいしく作るためには、庫内の温度を適切に管理することが欠かせません。温度センサーがあれば温度を検知し、必要に応じて調整できるので、自動調理機能などでレンジにおまかせで料理を作ることができます。
オートメニューは材料を入れてボタンを押すだけで、あとはレンジが自動で調理してくれる機能です。細かな温度調整などは自動でしてくれるので、自分で料理するよりも失敗するリスクも少なく、よりラクに調理できるようになります。対応しているメニューの数や種類はモデルによって異なるので、その機種でどんな料理が作れるのかを確認しておくとよいでしょう。
また一部の機種では、スマホからレシピをダウンロードし電子レンジに送信することで、買った後でもレシピを増やせるものもあります。悩みがちな毎日の献立も、レシピをダウンロードしてレンジの力を借りてみてはいかがでしょうか。
2段調理とは、庫内に天板をセットして上下2段で同時に加熱ができる機能です。通常よりも多くの食品を一度に加熱できるのがメリットで、パンやお菓子など一度にたくさん並べて調理したい場合に特に役に立ちます。お菓子作りでは長い時間をかけて焼き上げる必要があるので、できるだけ一度にまとめて焼いてしまいたいですよね。よくお菓子作りをする方は、二段調理ができるかどうかも要チェックポイントです。
電子レンジのテーブルは「ターンテーブル式」と「フラットテーブル式」の2種類があります。ターンテーブル式は中央に回転するテーブルが設置されているタイプのレンジで、食材を均一に加熱しやすいというメリットがあります。ただしテーブルが汚れてくると、都度取り外してお手入れをする必要があるので、少々お掃除に手間がかかりやすいです。
一方フラットテーブル式はテーブルを取り外してお手入れをする必要がなく、庫内を直接拭けばいいので比較的楽に掃除をすることができます。
テーブルの種類によって日々のお手入れの大変さも変わってくるので、あらかじめどちらのタイプが採用されているのかを確認するようにしましょう。
電子レンジは食品をただ温めるシンプルな機種から、焼き料理や蒸し料理などのさまざまな料理を調理できる機種まで幅広いラインナップが揃っています。オートメニューを活用することで、簡単に本格的な料理を作ることもできるので、料理を始めてみたい方やより楽に調理したい方にもおすすめです。
新しい電子レンジの購入を考えている方は、この記事でご紹介したチェックポイントを参考に理想の電子レンジを見つけてみてはいかがでしょうか。