暖房の設定温度は何℃が適切?快適性と節電のベストなバランスとは

「暖房の設定温度を20℃にしているけれど寒い」「暖房をつけているのに足元が冷える」そんな経験はありませんか?暖房の設定温度が適切でも、お部屋の構造や湿度によっては寒く感じることがあるのです。
この記事では、暖房の設定温度の目安と、温度を上げすぎずに快適に過ごす方法、電気代を抑えるコツなどをわかりやすく紹介します。
・環境省の推奨する冬の室温は20℃。「設定温度=室温」になるとは限らないので注意。
・湿度が低いと同じ室温でも肌寒く感じるので、お部屋の加湿も重要。
・サーキュレーターなどで温度ムラをなくす、窓からの冷気を防止することも大切。
目安は室温20℃!でも「設定温度=室温」とは限らない……

一般的に人が寒さを感じ始めるのは、室温が20℃を下回ったとき。そのため、暖房の設定温度に迷ったときは、環境省の推奨する「室温20℃」を目安にしてみましょう。
その際気をつけたいのが、「設定温度=室温」になるとは限らない点。たとえば、「室温のムラ」や「湿度の影響」などによって、室温が20℃に届かないこともあるので注意が必要です。
室温のムラや窓からの冷気
まず気をつけたいのが、高い天井や吹き抜けのあるお部屋。このようなお部屋は上方向に空間が広がっているため、暖気が天井のほうに逃げて室温にムラができてしまうことがあります。すると、暖房をつけているのに、足元の冷えが気になったり、エアコン付近しか暖まらなかったりすることがあるので注意が必要です。
また、しっかりと暖めるために気をつけたいのが、お部屋の窓。窓からは暖かい空気が逃げていきやすく、代わりに冷気が侵入してきます。そのため、せっかくお部屋を暖めても、なかなか設定温度まで暖まらないケースも少なくありません。
お部屋の湿度が低い
実は、室温と同じくらい重要なのが、お部屋の湿度。空気が乾燥しているとそのぶん体の水分が奪われ、気化熱で体感温度が下がってしまいます。そのため、同じ室温20℃でも湿度が高いほうが暖かく感じるのです。
一般的に、理想的なお部屋の湿度は、40%〜60%といわれています。そのため、暖かく快適なお部屋にするには、加湿器などを併用してちょうどいい湿度に保つことも忘れないようにしましょう。
設定温度を上げすぎずに暖房の効果を引き出すコツ
室温にムラがあったり湿度が低かったりすると、せっかく暖房をつけてもなかなか快適な室温にならないことも少なくありません。この状態でさらに設定温度を上げると、効率も悪ければ、余計な電気代もかかってしまうことに。そんなときは、以下のようなポイントに気をつけながら、暖房を使ってみましょう。
- ・サーキュレーターで温度ムラをなくす
- ・加湿して体感温度を上げる
- ・窓付近の断熱性を高める
- ・湯たんぽや電気毛布を活用する
暖房の設定温度を上げずに快適に過ごすポイント
サーキュレーターで温度ムラをなくす

室温のムラの原因は、主に暖かい空気が天井に溜まってしまうこと。そのため、お部屋全体を均一に暖めるには、サーキュレーターを使って空気を循環させるのが一番です。
具体的な置き方としては、エアコンの対角線上にサーキュレーターを置き、吹き出し口に向かって風を送ります。このとき、エアコンの風向きは「下向き」にしておきましょう。すると、天井付近に集まっていた暖気がお部屋全体に拡散されるため、床付近まで均一に暖めることができます。
サーキュレーターのそのほかの設置方法や、エアコン以外の暖房器具との併用の仕方については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。

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暖房とサーキュレーターの併用でもっと暖か!メリットや置き方を紹介
- 暖房とサーキュレーターを併用することで、空気の流れをつくり出し、お部屋全体に暖かい空気を効率良く循環できます。併用するメリットや注意点などを解説します。
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加湿して湿度を上げる

一般的に、お部屋の湿度が10%上がるだけで、体感温度は約1℃上がるといわれています。そのため、室温20℃でも肌寒い場合は、お部屋を加湿すると設定温度を上げなくても快適に過ごせるかもしれません。
お部屋全体をしっかり加湿するには、やはり加湿器を併用するのが一番おすすめ。具体的には、40%〜60%を目安に湿度を調節してみてください。また、体感温度が上がるだけでなく、喉や肌のケアにもつながるので、普段から乾燥が気になっている方も要チェックです。
なお、加湿しすぎてしまうと結露やカビの原因になることもあるので、湿度計なども使って、40〜60%のあいだでちょうどいい湿度になるよう調節するようにしましょう。
窓付近の断熱性を高める
暖房運転中は、とにかく室内の暖かい空気を外に逃がさないことがポイント。特に窓からは熱が逃げていきやすいので、厚手のカーテンなどを活用することで、室温をコントロールしやすくなります。
また、特に寒さの厳しい時期は屋外との温度差ができやすく、窓からの冷気が床を這うように流れ込んでくる「コールドドラフト」という現象が起きやすくなります。すると暖房をつけても足元が冷えやすくなってくるので、床まですっぽりと覆えるような長めのカーテンを選ぶとよいでしょう。
その他に、ドアの隙間に貼る「隙間テープ」を活用することでも、お部屋の断熱性をアップすることができます。
電気毛布やスポット暖房を活用する

暖房が効きにくい環境でお部屋全体を暖めようとすると、設定温度が高くなりすぎて余計な電気代がかかってしまうことも。そんなときは、電気毛布やこたつなどのスポット暖房を組み合わせて使うのがおすすめです。
加えて、機能性素材を使った薄手の衣類を重ね着したり、首・手首・足首の「3つの首」を保温したりすると、全身ポカポカで快適に過ごしやすくなるでしょう。
そのほか、暖かい飲み物や食事で体の内側から温めることも大切です。「室温を上げる」だけでなく、「自分を温める」工夫を取り入れてみましょう。
エアコン暖房の電気代を節約するためのポイント
暖房は朝から晩まで使うことも多いので、そのぶん電気代も気になりますよね。エアコン暖房に関していえば、設定温度を1℃下げるだけで約10%の電気代節約になるとされているんです。
とはいえ、ただ設定温度を下げるだけでは、当然寒さを感じてしまいます。以下のような点に気をつけ暖房効率を上げ、設定温度を下げても十分にお部屋を暖められる環境に整えてみましょう。
- ・エアコンのフィルターや吹き出し口を掃除する
- ・室外機の周囲を片付け、ほこりや雪を除去する
- ・自動運転モードを活用する
- ・電源スイッチの頻繁なON/OFFを避ける
暖房使用時の電気代を抑えるポイント
また、エアコンを10年以上使用している場合は、買い替えを検討するのもひとつの方法です。最新モデルは省エネ性能が大幅に向上している機種も多いため、電気代の節約につながりやすくなるでしょう。
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まとめ:暖房の設定温度は室温20℃が目安、お部屋の加湿も忘れずに
冬場の室温の目安は20℃ですが、「設定温度=室温」になるとは限らないので注意が必要です。サーキュレーターで室温のムラを解消する、窓の断熱性を高めるなどの方法で、お部屋を均一に暖めることを心がけましょう。
なお、快適なお部屋には適度な湿度が必要不可欠。体感温度が変わってくるので、お部屋の加湿も忘れないようにしましょう。
よくある質問
- 暖房の適切な設定温度は?
- 環境省が推奨する冬の室温は20℃(目安)です。ただし、これはあくまでも室温の目安であり、設定温度の通りになるとは限らないので注意が必要です。
- 暖房の設定温度が適切でも寒い理由は?
- 暖房の設定温度が適切でも寒く感じる主な理由は、「温度ムラ」と「空気の乾燥」です。お部屋の構造や断熱性能によって室内に温度ムラが生じたり、湿度が低いと体感温度が下がったりするため、設定温度が適切でも寒く感じることがあります。
- 暖房の設定温度を上げずに快適に過ごす方法は?
- 暖房の設定温度を上げずに快適に過ごすポイントは以下の3つです。
・温度ムラをなくす:エアコンの風向きを「下向き」にし、サーキュレーターで空気を循環させる。厚手のカーテンや断熱シートなどの断熱対策も効果的。
・湿度を上げる:加湿器や加湿機能付きエアコン、洗濯物の部屋干しなどで、湿度40〜60%を保つ。
・生活スタイルを工夫する:重ね着や、首・手首・足首の保温、湯たんぽなどを活用する。温かい飲み物や食事をとるのも効果的。
