冷凍庫の温度は、JIS規格(日本産業規格)によって「−18℃以下」と定められています。-18℃以下の環境は微生物の活動をほとんどストップさせるため、食品を長期間冷凍保存することができます。しかし、冷凍庫の使い方や状態によっては、この温度を上回ることもあるので注意が必要です。
この記事では、冷凍庫の適正温度や温度が上昇する原因とその対処法について詳しく解説しています。
家庭用冷凍庫の適正温度は、JIS規格(日本産業規格)によって-18℃以下と定められています。そもそも、食品が「腐っている」というのは、細菌やカビなどの微生物が時間とともに繁殖して有害な物質が生成された状態です。ところが温度が極端に低い環境では微生物の働きが抑制され、-18℃以下になるとほとんどの活動がストップします。この環境では食品の鮮度を落とさずに長期保存できるため、冷凍庫の温度は-18度以下になるよう設計されているのです。
冷凍庫の温度は-18℃以下になるようキープされていますが、使い方や設置環境によってはそれを上回ってしまうこともあります。ここでは、冷凍庫の温度が高くなるときに考えられる原因と、その対処方法について解説します。
冷凍庫のドアを開けると冷気が逃げ出し、代わりに外の暖かい空気が庫内に入り込みます。普通に使う分には特に問題はありませんが、あまり頻繁に何度も開け閉めすると、庫内の温度が上がってしまうこともあるので注意が必要です。
なるべく温度を上げないためには、冷凍庫内を整理整頓して、中身をすばやく取り出せるようにしておくことが大切です。冷凍庫の温度をキープできるのはもちろん、温度調節を最低限にできるので、余計な電気代がかかることも防げます。
冷凍庫を置く場所によっては、本来の温度に調節できないこともあるので注意が必要です。例えば、冷凍庫を直射日光や暖房が当たる場所に設置すると、その影響を受けて庫内の温度が上がりやすくなってしまうことがあります。また、本体を壁や棚にぴったりくっつけて設置してしまうと、放熱のためのスペースがなくなり、冷却効率が悪くなってしまうことも。
冷凍庫を設置するときは、なるべく直射日光が当たらない場所を選び、周囲にある程度のスペースをあけておくようにしましょう。なお、周囲にどれくらいのスペースが必要かは機種によっても異なるので、あらかじめ取扱説明書に目を通しておくようにしましょう。
冷凍庫のドアパッキンには庫内を密閉する役割があるため、ここが劣化すると冷気が漏れて庫内の温度が上がりやすくなってしまいます。パッキンはゴム素材で、経年劣化や汚れなどが原因で破れたりひび割れを起こしたりするようになります。
対策としては、定期的にドアパッキンをチェックして、汚れている場合はやわらかい布でこまめに拭き取りましょう。すでにドアパッキンが破損している場合は、パッキンを交換しなければいけません。自分で交換することは難しいので、購入したお店やメーカーに相談することをおすすめします。
冷凍庫の庫内に霜がついていると、冷気がうまく循環しなくなり、庫内の温度が高くなることがあります。冷凍庫の霜は、外気の暖かい空気が入り込んだり、熱いものを入れたりして一時的に庫内の温度が上昇したときにできやすくなります。日ごろから使い方に注意し、こまめにお手入れをして、冷凍庫に霜が溜まるのを防止するようにしましょう。
なお、すでに霜が育ってしまった場合は、冷凍庫の電源を切って霜取りをする必要があります。詳しい方法については以下の記事で解説しているので、冷凍庫の霜にお困りの方はぜひこちらもチェックしてみてください。
冷凍庫の霜取り方法とNG例を詳しく解説!霜がつく原因や予防法も紹介
出来立ての料理などを、温かいまま冷凍庫に入れると、庫内の温度が一気に上がります。すると周りの食材が解凍されたり、結露して霜の原因になったりするので注意が必要です。料理を冷凍保存したいときはまず粗熱を取り、常温にしてから冷凍庫にいれるようにしましょう。
冷凍庫を適正な温度にキープするには、「食材をすき間なく入れる」「本体の設定温度を調節する」などのポイントに気をつけながら使ってみましょう。
冷凍庫内では凍った食材が保冷剤のような役割を果たすため、なるべく食材同士のすき間を無くした方が冷却効率は上がりやすくなります。目安としては、冷凍庫の8〜9割ほどを食材で埋めるようにすると、冷気の流れも確保しつつ、庫内の温度上昇を防ぐことができます。
冷凍庫には、「弱」「中」「強」の三段階で温度を設定できる機種が多いです。基本的には「中」に設定しておけば問題ありませんが、何らかの理由で庫内がうまく冷えない場合は、「強」に設定して様子を見てみましょう。
これまで紹介した原因に当てはまらない、もしくは対処法を試しても症状が改善しない場合は、買い替えのタイミングが近づいているサインかもしれません。特に長年使った冷凍庫はドアパッキンの劣化や冷却装置のトラブルが起こりやすくなります。
パッキンの交換程度で済めば修理を選んでもいいかもしれませんが、長年使った冷凍庫の場合、冷却装置の修理で費用が高くなったり、直してもすぐに別の箇所が故障したりすることもあります。消費動向調査 2025年3月 内閣府調べによると、冷蔵庫の買い替え周期は約13年とされているため、それくらいの年数が経過している場合は思い切って新品に買い替えてしまうのも選択肢の一つといえるでしょう。
また、最近の冷凍庫は、昔の機種と比べて省エネ性能が大きく向上している製品も多いので、電気代を節約したい方も要チェックです。ランニングコストも踏まえて、買い替えか修理するかの判断をしてみましょう。
運転音が静かな省エネタイプの三菱冷凍庫
モデル名 | 三菱 冷凍庫 144L 右開き ホワイト MF-U14K-W |
---|---|
価格 | 下取りなし価格 円(税込) 下取り後価格 円(税込)(円下取り) |
ドアの開閉方向も冷凍/冷蔵も切替できて便利。ドアの開閉方向を自由に付け替えられるので、設置場所を選びません。
モデル名 | シャープ 冷凍庫(ファン式) 126L つけかえどっちもドア スノーホワイト FJ-HF13H-W |
---|---|
価格 | 下取りなし価格 円(税込) 下取り後価格 円(税込)(円下取り) |
冷凍庫の適正温度は、JIS規格によって−18℃以下と定められています。ですが、ドアを頻繁に開けたり、出来立ての料理をそのまま冷凍したりすると、庫内の温度が上がって食品が解けたり、余計な電気代がかかることがあるので注意が必要です。
もし冷凍庫が冷えにくいと感じている方は、今回ご紹介した対処法を試してみてください。それでも症状が改善しない場合は、冷凍庫が故障しているかもしれません。冷凍庫の買い替えが必要になったときは、今回ご紹介したおすすめ商品もぜひご参考にしてみてください。
冷蔵庫・冷凍庫の一覧を見る