冷凍庫の霜を放置していると徐々に厚さを増していき、最後には「庫内のスペースが狭くなる」「冷却効率が落ちてしまう」などのデメリットが発生してしまいます。
この記事では、厚さに応じた冷凍庫の霜取りのやり方や、やってはいけないNG例について詳しく解説しています。また、霜がつく原因や予防法についても紹介しているので、お困りの方はぜひご参考にしてみてください。
知らぬ間に厚さを増していく霜ですが、その主な原因は温度差による結露です。この項目では、冷凍庫に結露ができる原因について詳しく解説していきます。
霜の最大の原因ともいえるのが、冷凍庫内で起きる結露です。冷凍庫のドアを開けるとお部屋の暖かい空気が入り込み、温度差によって結露が発生します。そして、再び結露が冷やされると凍り付き、これを繰り返すことで大きな霜に育っていってしまうのです。結露はドアの開閉で起こるので、冷凍庫を普通に使っているだけでも徐々に霜は蓄積していきます。
冷気の吹き出し口がふさがってしまうと、庫内に冷気が循環しにくくなり、霜もできやすくなってしまいます。例えば、食品の詰め込みすぎ、ゴミやほこりの蓄積によって吹き出し口がふさがれてしまうことがあります。また、霜自体が吹き出し口をふさいで、症状を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。
ドアパッキンには、冷気が外に漏れないように庫内を密閉する役割があります。ところが、汚れが蓄積したり長年の使用でパッキンが劣化したりすると、ドアを閉めても隙間から暖かい空気が侵入しやすくなり、温度変化によって結露が発生し、霜ができやすくなってしまいます。
冷凍庫本体の故障や経年劣化で冷却能力が低下すると、庫内の温度が上がりやすくなり、霜がつきやすくなります。「消費動向調査 2024年3月 内閣府調べ」によると、冷蔵庫の平均買い替え周期は13年とされています。これに近い年数使っている冷凍庫で霜ができやすくなっている場合は、寿命が近づいているサインと考えてみてもいいかもしれません。
冷凍庫の霜取り方法は、霜の厚さによって異なります。霜が薄いうちはタオルなどでかんたんにふき取れますが、厚くなると本体の電源を切って霜を溶かす必要もあります。ここでは、霜の厚さごとに適した霜取り方法について紹介していきます。
まだ霜が薄いうちは、ぬるま湯にひたしたタオルを固く絞り、庫内をふき取るだけでかんたんに霜取りができます。
霜が厚くなると、食材を外に出したり電源を切ったりと時間も手間もかかるため、こまめにこの方法で霜取りをしておくことをおすすめします。
霜がある程度の厚さになり、温めたタオルで拭くだけでは取り除けない場合は、冷蔵庫の電源を切って霜を溶かす必要があります。
まず、冷凍庫の中の食品をクーラーボックスなどに移し、電源を切ってドアを開けた状態でしばらく放置します。このとき溶けた霜が外に流れ出してくるので、冷凍庫の周辺にバスタオルなどを敷いておくと安心でしょう。霜が自然に溶けたら残った水分を拭き取り、最後に乾拭きをすれば霜取りは完了です。
長い時間をかけて霜が蓄積されていくと厚さも相当なものになり、電源を切ってもなかなか溶けなくなってしまいます。その場合はゴム製のヘラなどを使うと、より霜をはがしやすくなります。
まずは先ほどと同様に冷蔵庫の電源を切り、ある程度霜を溶かしておきましょう。その後ヘラを使って慎重に霜をはがし、残った霜が完全に溶けきったらタオルで庫内の水分を拭き取ります。
ただし、金属製のヘラなどの硬い道具を使うと庫内を傷つけてしまうため、ゴムやシリコンなどの柔らかい素材のものを使うようにしましょう。
冷凍庫の霜取りは時間がかかるため、ついお湯をかけたり、アイスピックなどを使ったりしてしまいたくなります。しかし、これらの間違った方法で霜取りをすると、本体を傷つけたり故障させたりする可能性もあるので注意が必要です。この項目では、やってはいけない冷凍庫の誤った霜取り方法について解説していきます。
髪を乾かすのと同じように、霜もすばやく溶かせるのでは……、と思いきやドライヤーを使うと本体が変形して故障につながるケースもあるので止めておきましょう。
ドライヤーの風はかなり温度が高いため、庫内のプラスチック素材を変形させたり、破損させたりして、冷凍庫が使えなくなってしまうこともあるので注意が必要です。
たしかに熱湯を使えばすばやく霜は溶けますが、急激な温度変化により庫内を変形・故障させてしまう可能性も大きく高まります。霜取りの際は熱湯ではなく、40℃程度のぬるま湯にタオルなどを浸して、ゆっくりと溶かしていくようにしましょう。
アイスピックやナイフなどを使えば、一見かんたんに霜を取り除けるようにも思えますが、これらの道具で霜取りをするのはかなりリスクの高い方法です。時間をかけて庫内に蓄積した霜を取るには力を入れる必要があるため、うっかり本体を傷つけてしまったり、道具がすべってケガを負ったりする可能性もあります。故障やケガのリスクが大きいため、アイスピックやナイフなどの鋭利な道具で霜取りをするのは止めておきましょう。
カー用品店に売られているような霜取りスプレーは、冷凍庫の霜取りに使うことはできません。霜取りスプレーの主な成分はアルコールですが、庫内に付着するとプラスチック素材やゴムパッキンを劣化させてしまい、故障の原因になってしまいます。
また、そもそもこれらのスプレーは人体に入ることを想定されていないため、食べ物に付着するリスクのある冷凍庫に使うことは避けた方が良いでしょう。
大きくなった霜を取るのは時間も手間もかかるので、日ごろから霜が付きにくくすることが大切です。ここでは、冷凍庫の霜を予防するために、心がけたい使い方について解説します。
やはり予防策として一番大事なのは、霜が厚くなる前に庫内をふき取ることです。霜が蓄積すると、食材を取り出して、電源を切って長時間放置してと、かなりの手間がかかってしまいます。こまめなお手入れは少し面倒ではありますが、最終的な手間を考えると日ごろから気づいたときにタオルなどで庫内をふき取ることをおすすめします。
冷凍庫に食品を詰め込みすぎると、物を取り出すまでに時間がかかり、あたたかい空気が入り込んで霜がつきやすくなってしまいます。また、あまりにも詰め込み過ぎていると、ドアが閉まらずに半ドア状態になってしまうこともあるので注意が必要です。
食材は詰め込みすぎず、整理整頓をして、なるべくドアを開けている時間を短くするようにしましょう。
冷凍庫に霜ができやすくなる大きな原因は、庫内の温度が上がることによる結露です。熱い料理をそのまま冷凍庫に入れると庫内の温度が上がり、霜ができやすくなってしまうので注意が必要です。
出来立ての料理を冷凍保存したいときは、いったん常温まで冷ましてから冷凍庫に入れるようにしましょう。また、ラップや冷凍用保存袋に入れると結露が起きにくくなり、霜の防止になるだけでなく、食品の鮮度も保ちやすくなります。
冷凍庫はドアを開けるたびに、あたたかい空気が入り込むので、なるべく開閉回数を減らすことで霜がつきにくくなります。「必要なものは一度に取り出すようにする」「整理整頓をして食材をすぐに取り出せるようにする」などを心がけるとよいでしょう。また、よく使う食材はすぐに取り出せる場所に置いておき、ドアを全開にしなくても取り出せるようにすることも効果的です。
冷凍庫のドアパッキンには、庫内を密閉して冷気を逃がさないようにする役割があります。ホコリなどの汚れでパッキンが劣化すると、密閉性が低下し霜ができやすくなることもあるので注意が必要です。
ドアパッキンの汚れは、なるべく日ごろからお掃除することが大切です。軽い汚れなら、ぬるま湯を含ませた柔らかい布でふき取るだけで問題ありません。もし汚れが目立つようなら、薄めた中性洗剤に布をひたし、硬く絞ってからふき取るようにしましょう。仕上げに水拭きをすれば、ドアパッキンのお掃除は完了です。
実は、冷凍庫の冷却方式には「直冷式」と「ファン式」の2種類があり、ファン式の方はほとんど霜が付きません。これは直冷式が冷気を直接庫内に送り出すのに対し、ファン式はファンを使って冷気を循環させているからです。面倒な霜取りの手間をほぼなくしてくれるので、より快適に冷凍庫を使いたいという方は、ぜひファン式の冷凍庫をチェックしてみて下さい。
一方直冷式には、ファン式と比べて本体価格が安いというメリットがあります。手間よりもとにかく値段を重視したいという方は、直冷式の機種をチェックしてみるとよいでしょう。
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冷凍庫に霜がつく主な原因には、「結露」「吹き出し口の詰まり」「ドアパッキンの劣化」「経年劣化による冷却性能の低下」などが考えられます。霜取りをする際は、霜の厚さによってお手入れのやり方が変わってくるので、ぜひ今回ご紹介した方法を参考にしてみてください。
また、大きくなった霜を取り除くのは手間がかかるため、なるべく霜が付きにくくすることが大切です。ファン式の冷凍庫であれば霜がほとんどつかないので、機会があれば買い替えを検討してみるのもおすすめです。
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