エアコンにはさまざまな機能が搭載されていますが、全ての機能を把握するのはなかなか難しいものですよね。「内部クリーン機能」についても、名前は知っていても、どんな機能なのか詳しくは知らない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はその「内部クリーン機能」について、わかりやすく掘り下げていきます。内部クリーンの効果やエアコンを清潔に保つ方法についてご紹介します。また、内部クリーン機能を使用する際の注意点もまとめていますので、ぜひご参考にしてください。
内部クリーン機能は、冷房・除湿運転後に、エアコン内部を乾燥させることで、カビや雑菌の繁殖を抑える機能です。冷房や除湿を使用すると、空気中の水蒸気が水滴となって、内部のフィルターや熱交換器は湿気を帯び結露が発生します。内部クリーン機能は、送風や暖房で自動的に内部を乾燥させてくれるので、エアコン内部を清潔に保つことができるでしょう。
なおエアコンには、内部クリーン機能のほかに、自動お掃除機能が搭載されている機種もあります。名前は似ていますが、自動お掃除機能とは、主に内部のフィルターや熱交換器についたホコリや細かいゴミを取る機能で、内部クリーン機能とは別の役割になります。
こうしたお掃除機能を使い、内部を常にきれいにしておくことで、余計な電気消費を抑え、結果として電気代の節約につながることも期待できるでしょう。
機種によっても異なりますが、内部クリーン機能には、「自動内部クリーン機能」と「手動内部クリーン機能」の2つがあります。また、設定により自動と手動を切り替えることができるエアコンもあります。
自動の内部クリーン機能は、エアコンの冷房や除湿の運転停止後に、設定した条件のもとで自動的に作動します。1回の動作はおおよそ60〜120分程度と機種によってさまざまです。作動するタイミングは「毎回電源が落ちた後」「数ヵ月に1回」など、こちらも製品によって異なります。なお、暖房運転や送風運転の時は、電源をオフにしても作動しません。
手動の内部クリーン機能は、エアコンの停止中であれば好きなときに作動させることができます。一定時間が経ったら自動で終了する点は、自動内部クリーン機能と同じです。リモコンにある「内部クリーン」や「内部清浄」のボタンを押すことで機能を使うことができます。
手動の内部クリーン機能の場合は、運転を途中で止めることも可能です。ただし、エアコン内部が完全に乾いていなければ、カビや雑菌の繁殖を抑える効果が下がってしまう可能性があります。そのため、どうしても止めなければいけない場合を除いて、一度スイッチを入れたら最後まで運転させましょう。
内部クリーン機能の設定方法や使用手順はメーカーや機種によって異なるので、必ず取扱説明書を確認しましょう。
内部クリーン機能を使用する際は、以下の2点に注意が必要です。
機種によっても異なりますが、内部クリーン機能が作動している間、室内の温度が2〜3℃ほど上昇する可能性があり、少し暑く感じるかもしれません。
内部クリーン機能は、主に送風運転や微弱暖房運転で結露したフィルターや熱交換器を乾かす機能です。また、エアコン内部の結露が多い状態だと、その水分も温風とともに室内に送り出されるため、室内の湿度も高くなる可能性があります。
内部クリーン機能をオンにしたときに悪臭を感じることがあるかもしれません。
嫌なニオイの原因は、エアコン内部に発生しているカビや雑菌、たまっているホコリです。結露の水に部屋のニオイが移って、蒸発するときにエアコンから嫌なニオイとして放出されているケースもあります。
嫌なニオイがするときは、フィルター掃除など自分でできる範囲のお手入れを行いましょう。それでも改善されない場合は、専門業者にエアコン内部のクリーニングを依頼するのも一案です。
内部クリーン機能使用時の暑さやニオイは、次に紹介する2つの方法で対処できることもあります。
内部クリーン機能による暑さやニオイを気にしないで済む方法は、外出中に内部クリーン機能を使用することです。外出中であれば、部屋が多少暑くなっても、ニオイがしても気になりません。また、多くの機種は運転終了後に自動で電源が切れる仕様になっているため、外出中でも電気代や室温のことを気にする必要がないといえるでしょう。
もし家に戻って室内にエアコンからの嫌なニオイが残っている場合は、しっかりと換気をしましょう。
内部クリーン機能を使用しているときの暑さ・ニオイの対処法としては、窓を開けて換気するのも効果的です。熱やニオイがこもるのを防げるため、在宅中でも気軽に内部クリーンを行えます。
また、扇風機やサーキュレーターを窓に向けて回せば、熱やニオイを外に逃しやすくなり、窓を開けている時間を短縮できるでしょう。
エアコンの内部クリーン機能は、あくまで結露を取り除いてカビや雑菌の繁殖を抑える機能です。発生したカビを落としたり、エアコン内部に溜まったホコリやゴミを取り除いたりすることはありません。そのため、エアコン内部をきれいに保つには、こまめにお手入れする必要があります。
エアコンのフィルターには、空気中に含まれるホコリやゴミがエアコン内部に入るのを防ぐ役割があります。そのため、エアコンを使えば使うほどホコリやゴミが溜まっていきます。
フィルターに溜まったホコリやゴミをそのまま放置していると、フィルターが目詰まりを起こし、空気のスムーズな循環ができなくなる可能性があります。そのため、数週間に1回を目安にお手入れすることが大切です。
このほか、専門業者にクリーニングを依頼して内部を掃除するのもおすすめです。
エアコン内部にある熱交換器などを自分でお手入れしようとすると、エアコンが故障してしまう可能性があります。取扱説明書にお手入れ方法の記載がない箇所は、無理に掃除せず、専門業者への依頼を検討しましょう。
エアコンのフィルター掃除の方法は以下の記事でご紹介しているので、ぜひご覧ください。
エアコンのフィルター掃除は必要?その理由と手順を解説!
結露してしまったエアコン内部を乾燥させて、カビや雑菌の繁殖を抑える「内部クリーン機能」。エアコンを清潔に保つためには、こまめに活用することが大切です。
ただし、この機能を使うだけでは、内部に発生したカビを落とすことはできません。清潔に保つためには自分でお手入れしたり、専門業者にクリーニングを依頼したりして、こまめにメンテナンスを行うようにしましょう。
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