「水道水を直接口にするのは抵抗があるが、毎回ミネラルウォーターを買うのは面倒」。そんな悩みを解消してくれるアイテムが、ウォーターサーバーです。おいしい冷水・温水をすぐに用意できるので、一家に1台あると非常に便利です(冷水のみのウォーターサーバーもあります)。では、そんなウォーターサーバーのお湯はどれほどの温度なのでしょうか? 「思っていたよりも温度が低かった」と後悔しないためにも、あらかじめ温度設定を把握しておきましょう。今回は、ウォーターサーバーのお湯の温度設定をはじめ、お湯を作る仕組みや電気代などについてご紹介します。また、お湯がぬるい場合に考えられる原因やお湯を利用するときの注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ウォーターサーバーから出るお湯の温度は、約80〜90℃です。機種によって多少の差はありますが、おおむねこれほどの温度だと考えても差し支えないでしょう。 またウォーターサーバーの機種によっては、最高温度の約80〜90℃よりやや低い70℃前後のお湯を出せることもあります。「用途に応じてお湯の温度設定を変えたい」「あまり熱いと飲みづらい」などのこだわりがある方は、お湯の温度設定ができる機種を選ぶとよいかもしれません。
多くのウォーターサーバーは、設定温度にだいたい5〜10℃の幅があります。たとえば、ジャパネットたかたが取り扱っているジャパネットウォーターのウォーターサーバーの場合は、通常モードでの運転状態で、冷水は6〜10℃、お湯は80〜90℃です(エコモード時は、お湯の温度は常温の20〜30℃まで下がります)。 そのため、ときには「なんだか今日のお湯(もしくは水)、ちょっとぬるいかな?」と感じることもあるかもしれません。
ただし、ぬるく感じるのは一時的なケースであることも多いため、時間をおいて再び使ったときに適した熱さ・冷たさを感じられたら問題ないといえます。
ウォーターサーバーの機種によっては、省エネモードが搭載されています。
ウォーターサーバーは冷水・温水をすぐ出せるよう稼働している分、消費電力量も多く電気代がかかります。省エネモードをオンにしていると電気代を節約できますが、消費電力を抑えることにより水を十分に冷やしたり温めたりできなくなるのです。
「電気代を節約したいが、どうしてもぬるい温度が気になる」という場合は、適宜省エネモードをオフにして使うとよいでしょう。
ウォーターサーバーは温水用、冷水用の2つのタンクを内蔵しています。そのタンクの水を「金属棒」または「ヒーターバンド」を使ってお湯を作っています。それぞれの主な違いは以下のとおりです。
金属棒を使っているタイプ | ヒーターバンドを使っているタイプ |
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・タンク内に水を加熱する金属製の棒がある ・棒に電気を通して水を加熱・保温する |
・温水タンクの周りに水を温めるバンドがある ・ヒーター機能付きのバンドに電気を通して水を加熱・保温する |
なお、「設定温度まで水を加熱した後は保温モードになる」「タンク内の水量が減って新しく補充した際は一時的に水がぬるくなる」という点は、どちらも共通しています。
電源を入れた場合や、水をたくさん使用した場合にタンク内の水が瞬時にお湯になるわけではありません。また、お湯になるまでの所要時間は機種によって異なるため、一概に「○分」と言い切れません。たとえば、ジャパネットのウォーターサーバーの場合は、電源プラグを入れた直後や省エネ機能(エコモード)が作動した直後に適温のお湯は出ません。約45分で適温になります。
「今お湯が必要なのに、まだできていなくて使えない」という事態を防ぐためにも、ウォーターサーバーにおける水の加熱・冷却が完了するまでの所要時間は、あらかじめ確認しておきましょう。
ウォーターサーバーのお湯は基本的に約80〜90℃で保たれていますが、場合によってはお湯がぬるく感じることがあります。その際に考えられる原因は以下の6つです。ウォーターサーバーを使っていて「なんだかぬるいな」と感じたら、該当する項目がないかチェックしてみましょう。
いつでもお湯を用意できることがウォーターサーバーの魅力ですが、それはあくまでも完全に加熱されて保温モードになった後の話で、水入りのボトルを本体にセットしたら瞬時にお湯が沸くわけではありません。水のボトルをセットしてしばらくの間は十分に加熱されていないため、適温のお湯は出てこないのです。
この場合は加熱が完了するまで待つと、通常どおりの温かいお湯を使えます。
消費電力を抑えるための「省エネモード」や、タンク内の水がない状態で加熱し続けないようにする「空焚き防止モード」が搭載されているウォーターサーバーの場合、これらの機能が発動しているためにお湯がぬるくなることがあります。
そのため、いつもよりお湯がぬるいと感じたら、どちらかの機能がオンになっていないか確かめましょう。省エネモード機能をオフすることができる機種もありますので、不要であればオフにしましょう。
省エネモードを解除しても、お湯を適温に過熱するまで時間がかかります。
先ほどの空焚き防止モードに関連する原因となりますが、サーバーに取り付けているボトル内の水が少ないときにもぬるいお湯が出る可能性が高くなります。
ボトルの色は透明または半透明で水量が比較的わかりやすいものが多いので、「お湯がぬるいな」と感じたらまずは水がどのくらい残っているか確認し、空焚きになる前に新しいボトルと交換しましょう。
加熱が完了するまでの所要時間は機種によって異なるので、どのくらいの時間でお湯を作れるか把握しておくことをおすすめします。
温水スイッチをオンにしないとお湯が出ない機種もあります。
ウォーターサーバーを買い換えたときや電源をオフにしたことを忘れていたときなど、温水スイッチがオフになっているケースもお湯がぬるくなる原因のひとつです。スイッチをオンにすると水が加熱されてお湯が出るようになります。
ただし、スイッチを入れても瞬時に最高温度まで熱くなるわけではないので、加熱が完了するまでしばらく時間をおいてください。
熱放射板とは、水を冷却・加熱する機能が稼働する際に放つ熱を、ウォーターサーバー本体から外に逃がすためのパーツです。機種によっては露出していなかったり、ないものもあります。
熱放射板はホコリが溜まりやすく、仮に目詰まりを起こすとサーバー内の余熱がきちんと放射されず、加熱機能が正常に作動しなくなってしまう可能性もあります。そうなれば、ぬるいお湯しか出なくなるのです。
熱放射板はウォーターサーバーの背面に設置されているため、ホコリが溜まってもすぐには気付けません。そのため、定期的にウォーターサーバーの裏側もチェックして熱放射板についているホコリを取り除くようにしましょう。
加熱時間の短さ・省エネモードや空焚き防止モードの稼働・水の残量不足・温水スイッチのOFF・熱放射板の汚れ、そのどれも問題ないのにお湯がぬるい場合は、ウォーターサーバーそのものの故障が疑われます。この場合は自ら対処できないため、早めにメーカーに連絡して修理してもらいましょう。
ただし、連絡しても即日で修理に来てもらえるとは限らず、直るまで時間がかかる可能性もあります。そうなるとしばらく不便な思いをすることになるので、ウォーターサーバーを定期的にメンテナンスして故障を防ぐよう心掛けることが大切です。
ウォーターサーバーのお湯を使って料理や飲み物を作るシーンは多いですが、実は作る料理や飲み物によって適する温度は異なります。
ここからはコーヒー・白湯・カップ麺・粉ミルクを例に、それぞれの適正温度をご紹介します。
コーヒーを作るときの適正温度は約80〜90℃です。このくらいの温度だと苦味も酸味も強すぎず、おいしいコーヒーを淹れることができます。
多くのウォーターサーバーはお湯の最高温度が約80〜90℃で設定されているので、自宅でいつでもおいしいコーヒーを味わえます。
白湯を作る際の適正温度は、約50〜60℃です。基本的な最高温度より低いため、温度設定ができるウォーターサーバーなら近い温度で調整しやすいでしょう。
温度設定非搭載の機種でも、温水と冷水を混ぜると適正温度に近い白湯を作ることができます。均一に混ざるよう温水を先に入れてから冷水を足すことが、飲みやすい白湯を作るポイントです。
赤ちゃんに白湯(湯冷まし)を作る場合は、大人と同じ約50〜60℃では熱すぎます。人の体温と同じくらいの約35〜37℃にしましょう。
お湯がないと作れないインスタント食品の代表格といえば、やはりカップ麺です。 カップ麺を作る際に使用するお湯の適正温度は約100℃。これより低い温度だと麺がうまく戻らず、固い部分が残ってしまう可能性があります。
ウォーターサーバーのお湯はそのままの温度ではカップ麺作りにはあまり適さないので、調理の際はウォーターサーバーのお湯を鍋などでさらに熱するか、電気ケトル・電気ポット・やかんなどで沸かしたお湯(約100℃)を使うことをおすすめします。
厚生労働省が2007年に発表したガイドラインによると、「赤ちゃんの粉ミルクを作る際は70℃以上のお湯を使用するべきである」と明記されています。これより低い温度で作ると、万が一粉ミルク内に菌が混入していた場合に殺菌しきれない可能性があるのです。
ウォーターサーバーは最高温度が約80〜90℃なので、粉ミルク作りに必要なお湯の基準を満たしているといえます。
ウォーターサーバーのお湯が合う用途は、コーヒー・白湯・粉ミルク作りだけではありません。反対に、ウォーターサーバーのお湯が合わない用途もまだあります。
ウォーターサーバーに適した温度の用途には、たとえば以下が挙げられます。
湯たんぽ | 約70〜80℃ |
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緑茶 | 約70〜80℃ |
煎茶 | 約70℃ |
玉露 | 約50℃ |
上記の用途では、ウォーターサーバーの最高温度と同等かそれより少し低い温度のお湯が必要です。たとえば緑茶・煎茶・玉露を作る場合は、ウォーターサーバーの温水に冷水を混ぜることでそれぞれの適正温度に近づけることができます。
ウォーターサーバーに適していない温度の用途には、たとえば以下の2つが挙げられます。
粉末スープ・紅茶・ほうじ茶・除菌用のお湯 | 約100℃ |
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ドリップコーヒー・ハーブティー・烏龍茶 | 約90〜100℃ |
上記の用途は適正温度が90℃以上であるため、ウォーターサーバーの温水よりさらに熱いお湯が必要です。
とくに紅茶は高温のお湯を注ぐことで香りが出るため、沸騰したての温度(約100℃)より低いお湯で淹れると十分に風味を楽しめません。粉末スープも100℃未満のお湯では粉末がうまく溶け切らない可能性があります。
ただし、保温状態の水を再び温め直す「再加熱モード」が搭載されているウォーターサーバーなら、90〜100℃まで加熱できるケースがあります。
再加熱モードは常時使える機能ではありませんが、一時的に90℃以上のお湯が必要になったときに使える便利な機能です。「粉末スープ・紅茶・ドリップコーヒーなどをよく飲むから、都度お湯を沸かす手間が省けるウォーターサーバーを使いたい」という方は、100℃まで再加熱できる機能を備えた機種を選びましょう。
ウォーターサーバーのお湯を使用する際は、以下の点に注意しましょう。
ウォーターサーバーのレバーは、小さい子どもでも手が届く位置についていることがほとんどです。万が一子どもが誤って触りお湯が出ると、火傷を負ってしまうかもしれません。また、小さい子どもがいない家庭でもペットを飼っているなら、そのペットが誤ってレバーを操作して火傷する危険性もあります。
小さい子どもやペットがレバーをさわってもお湯が出ないようにするには、チャイルドロックの活用が欠かせません。チャイルドロックのかけ方はダブルロック式・背面スイッチ式など複数あり、機種によって異なるので、確認しましょう。
旅行や出張などで長期間ウォーターサーバーを利用しないときは、出掛ける前に電源をオフにしてもよいか、その手順はお使いのウォーターサーバーの取扱説明書を確認しましょう。
基本的に電源をオフにするのは「サーバー内の水を全部抜いてから」です。ウォーターサーバー内に水が残ったまま電源をオフにしてしまうと、冷水や温水が常温に戻り、時間が経つにつれて雑菌が繁殖してしまう可能性も否めません。
長期間ウォーターサーバーを使わない場合は、タンクの水が空になったことを確認した上で電源を切りましょう。
ウォーターサーバーのお湯の温度は、約80〜90℃であることが多く、コーヒーや白湯、粉ミルク、緑茶などを作る際に最適な温度です。つまりウォーターサーバーがあれば、お湯を一から沸かす必要がないので、好きな飲み物を即座に用意できます。
「手間なく温かい飲み物を作りたい」という方は、この機会にぜひウォーターサーバーの利用をおすすめします。また、ジャパネットたかたが提供している「ジャパネットウォーター 富士山の天然水」もぜひご検討ください。