スチームクリーナーは、高温の蒸気(スチーム)でこびりついた汚れを浮かせて落とすことができるので、掃除の負担を軽減してくれる便利な掃除家電です。また、洗剤・薬品を使わずに水だけで掃除するので、子どもやペットがいる家庭でも安心して使用できます。ただし、「スチームクリーナー」は種類が多いので自分に適した製品を選ぶ必要があります。そこで今回は、スチームクリーナーの特徴や選ぶ際に着目しておきたいポイント、おすすめ製品などをご紹介します。また、使用する前に押さえておくべき注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
スチームクリーナーとは、高温の蒸気(スチーム)を当てて汚れを浮かせて落とす掃除器具です。高圧洗浄機と違い、大量の水は使用しないため、フローリングやキッチンなど室内のお掃除に使用可能です。以下では、スチームクリーナーの特徴を3つご紹介します。
スチームクリーナーは、汚れを落とす際に洗剤や大量の水を使用しません。これにより、大量の水や洗剤を使えない場所・物にも使用することができます。製品により異なりますが約100℃程度の高温の蒸気を当てることにより、油や皮脂などの頑固な汚れも浮かせることができます。さらに洗剤を使用していないので、何度も水拭きをする必要はありません。使用した箇所に水分が残っている場合は、表面に残った水分をサッと拭き取るとよいでしょう。
ただし、ガラスや皮といった熱と湿気に弱い素材への使用は注意が必要です。フローリングも素材によっては傷める可能性もあるので、使用する前に取扱説明書を確認しましょう。
繰り返しになりますが、スチームクリーナーは高温の蒸気を使用します。カビ対策には100℃以上の高温スチームが効果的といわれているので、スチームクリーナーでカビ対策を行うことも可能でしょう。なお、どの程度の効果があるのかは製品により異なりますので、取扱説明書を確認しましょう。
前述したように、スチームクリーナーは洗剤や大量の水が不要なため幅広い箇所に使用することが可能です。
たとえば、布製のソファの汚れが気になったとしても、カバーが外せないソファの場合はどう掃除していいのかと悩むこともあるでしょう。その点、スチームクリーナーであれば、蒸気の力でソファの表面の汚れやにおいをきれいにできます。また丸洗いできないカーペットのシミも、スチームクリーナーで掃除が可能です。
このほか、油が付着しやすいコンロは定期的にお手入れしていないと汚れを落とすのが難しくなります。その点、スチームクリーナーなら高温の蒸気で頑固な汚れも浮かせることができるので、力強く擦ってコンロを傷つけてしまう心配もいりません。そして掃除の労力も削減できます。
このように、スチームクリーナーを使用することによって家中の様々な箇所をきれいにすることができます。素足で歩いた床の皮脂汚れ、キッチンの油汚れなど家の中の気になる汚れ、カビなど、徹底的に掃除することが可能です。
「スチームクリーナー」と一言でいっても種類が多いので、どれを選べばよいのか迷ってしまうものです。購入後に「違う製品にすればよかった」となってしまわないよう、チェックすべきポイントを押さえておきましょう。
スチームクリーナーの形状には、「キャニスタータイプ」「ハンディタイプ」「スティックタイプ」の3種類があります。
キャニスタータイプは給水タンクが大きいため、30分〜1時間程度と長時間の使用が可能です。先端のアタッチメントを変更できる機種が多く、幅広い箇所に使用できます。また、キャニスタータイプはヘッド部分を持ち、本体は床に置くことができるので、腕にかかる負担が比較的少ないことも魅力のひとつです。レンジフードや窓、網戸など高さのある箇所も比較的容易に清掃できるので、すぐに腕が疲れてしまう心配もありません。
ただし、キャニスタータイプの多くは電源コードがついている製品です。コードが届かないと使用することができず、また届いたとしても移動のたびにコンセントの抜き差しが必要になります。延長コードを使用できる場合もあるので、取扱説明書を確認しましょう。
とはいえ、キャニスタータイプは他の形状に比べて長時間使用できるので、短時間で何度も水を熱する必要はありません。これにより、スチーム待機時間を短縮して家中をしっかり清掃することができます。
ハンディタイプは重さ1〜2kg程度の製品が多く、片手で持ち上げることができるほど軽量です。また、コンパクトサイズなので狭い場所でもスムーズに掃除できます。たとえば、キッチンや洗面台、コンロ周りなどハンディタイプであれば小回りがきくので細かいところもきれいにできるでしょう。さらに、ハンディタイプは使用中にコンセントを必要としないバッテリー駆動タイプもあり、車のシートやチャイルドシートの掃除にも適しています。
ただし、ハンディタイプは給水タンクが小さく連続使用時間は10分程度なので、長時間掃除したい場合には向いていません。そのため、「ちょっとした掃除に使用したい」という方におすすめです。
スティックタイプは、掃除機のように使用できるので平面である床や壁などの掃除に適しています。たとえば、ペットや赤ちゃんがいる家庭であれば床を汚してしまうことも。この場合、洗剤を使用すると拭き残しがあった際に、ペットや赤ちゃんの口に入ってしまう恐れがあります。その点、スティックタイプのスチームクリーナーがあれば洗剤を使用しないので拭き残しの心配がいりません。また、サッと取り出して使用することができるので、汚れに気づいたときすぐに掃除することもできます。
ただし、スティックタイプは給水タンクが小さいので連続使用時間は20〜30分程度のものがほとんどです。くわえて、平面で広範囲の掃除には適していますが、狭くて細かい箇所には向いていません。そのため、スティックタイプは主に床や壁を掃除したい方におすすめです。
スチームクリーナーの加熱方式には、「ボイラー式」と「パネル式」の2種類があります。
ボイラー式は別名「加圧噴射方式」と呼ばれています。給水タンクを密閉状態にして水を加熱し内部の圧力を高めるので、高温の蒸気を勢いよく噴射させることができます。これにより、頑固な汚れを落としやすくさらに除菌もできるので、キッチンやトイレ掃除などに向いています。
ただし、ボイラー式は給水タンク内の圧力が下がってからでないと水を足すことができません。給水タンクが小さい製品では何度も水を足さないといけないので、注意が必要です。とはいえ、使用する時間が短い場合は、とくにデメリットに感じることもないでしょう。
なお、ボイラー式を選ぶ際は噴射する蒸気の温度が低いと頑固な汚れを落としづらくなってしまうので、どのくらいまで温度が上がるのかを確認しておくことが大切です。
パネル式は熱した板状パーツに水を流して蒸気を発生させるので、使用できるまでにかかるヒートアップタイムが短いのが特徴です。そのため、掃除をしたいときに手軽に使えます。かつ使用中であっても注水できるタイプもあります。
ただし、パネル式はボイラー式に比べて温度が低く圧力も弱いので、頑固な汚れを落とすのには向いていません。「ちょっとした掃除に使いたい」という方におすすめです。
スチームクリーナーは、重量も確認しておくことが大切です。なぜなら、重たいスチームクリーナーを長時間使用すると、腕や手首に負担をかけてしまうからです。掃除をするたびに疲れてしまうので、本体重量は軽いものを選ぶようにしましょう。
重量の目安としては、キャニスタータイプやスティックタイプであれば4kg程度、ハンディタイプは1〜2kg程度がおすすめです。
スチームクリーナーの使用時には本体重量に水の重さもプラスされるので、考慮して選びましょう。
スチームクリーナーは、安全性も重視しなければなりません。なぜなら、スチームクリーナーは高温の蒸気を噴出するので誤って火傷してしまう危険性があるからです。そのため、どのような安全機能があるのかを確認し、製品を選ぶようにしましょう。
安全機能には、子どもがいたずらして作動しないようにする「チャイルドロック」、給水タンク内の水が高温になると蓋が開かなくなる「セーフティーキャップ」、給水タンク内の水がなくなって空焚き状態を音で伝える「渇水アラーム」、温度が異常に高くなったとき自動で電源をオフにする「温度ヒューズ」などがあります。
安全機能を搭載したスチームクリーナーであれば安心して使用できるので、購入する際はチェックしておくことが大切です。
ケルヒャーはドイツの清掃システム販売企業で、家庭向けのみならずプロ向け製品も展開している世界的人気のメーカーです。
ケルヒャーのスチームクリーナーは、「キャニスタータイプ」「ハンディタイプ」「スティックタイプ」の3つのタイプを展開しており、それぞれ高温の蒸気を安定して噴射するので頑固な汚れを浮かせて落とすことができます。
また、ケルヒャーのスチームクリーナーはアタッチメントの種類が豊富で、使い分けることによって幅広い箇所を掃除できるのも魅力です。たとえば、アタッチメントにはスチーム効果を高める「イージーフィックスフロアノズル」があります。蒸気が均等に噴射するので同じ箇所を何度も繰り返し掃除する必要がなく、1回できれいに仕上げることが可能です。くわえて、ノズル面が水平な状態を維持するので床にぴったり接地し、拭きムラができてしまうこともありません。
ケルヒャーのスチームクリーナーはアタッチメントの種類が豊富なので、用途に応じて使い分ければ車内や家中を簡単にきれいにすることができます。
「スチームクリーナー ケルヒャー」で商品を探す以下にて、おすすめのスチームクリーナーをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
スチームクリーナーを使用する前に、以下の注意点を押さえておきましょう。
スチームクリーナーは広範囲の箇所に使用できますが、使えない場所もあります。たとえば、フローリングの材質によっては、スチームクリーナーを使用することで、ひびが入ってしまったりワックスがはがれたりするなど傷めてしまう可能性があります。使用する前に「スチームクリーナーを使っても大丈夫な材質か」をチェックしておくことが重要です。
このほか、ペンキを塗った壁などにも使用を避ける必要があります。繰り返しになりますが、スチームクリーナーは高温の蒸気を噴射します。これにより、ペンキなどの塗料が剥がれ、変質によって外装が脆くなってしまう恐れもあるので使用は避けるようにしましょう。
スチームクリーナーは、ガラスやプラスチックなど熱に弱い素材に使用するのも危険です。高温の蒸気を当てると変形し割れてしまうこともあるので、スチームクリーナーを使用する前に素材の特性を調べておくことをおすすめします。
スチームクリーナーは、使用をし続けることによってタンク内に水垢が溜まります。また、基本的に水道水を使用するので、水中に含まれるミネラルが給水タンク内に固着することもあるでしょう。スチームクリーナーをお手入れせずそのまま使用し続けると、固着したミネラル分がノズルやホースに詰まり使えなくなる可能性もあります。そのため、スチームクリーナーは定期的にお手入れしましょう。
スチームクリーナーのお手入れ方法は、製品によって異なるので、スチームクリーナー本体をきれいにする場合は必ず取扱説明書に記載のある方法で行うようにしましょう。
なお、給水タンク内のお手入れが面倒だからといって、ミネラルを含まない水道水以外を使用するのは危険です。製品によっては「水道水のみ」「水道水または蒸留水」「水道水以外」など、使用する水が異なります。給水タンク内に使用する水は何でもいいという訳ではないので、使用前に確認しておくことが大切です。
スチームクリーナーは、高温の蒸気を噴射して汚れを浮かせて落としやすくする掃除器具です。アタッチメントを付け替えることによって幅広い箇所に使用できるので、スチームクリーナーが1台あると車内や家中をきれいにすることが可能です。くわえて、スチームクリーナーは高温の蒸気を噴射することから除菌効果も期待ができます。
このように、スチームクリーナーはさまざまな面で活用できますが、使用目的や用途に応じて適した製品を選ばなければなりません。そのため、購入の際は今回ご紹介した「スチームクリーナー選びで着目しておきたい5つのポイント」と「おすすめ製品」をぜひ参考にしてみてください。自分に合うスチームクリーナーを見つけることができるはずです。
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