テレビをより楽しみたい方におすすめなのが録画機能です。通常、番組を録画するには専用のレコーダーや外付けHDDが必要ですが、HDD内蔵テレビなら本体のみで録画機能までを担うことができます。今回は、そんなHDD内蔵テレビのメリット・デメリットや選ぶ際のポイントをご紹介します。メーカーごとのテレビの特徴も解説しているので、あわせてご参考にしてください。
HDDとは「ハードディスクドライブ」の略で、テレビの録画に用いられる記憶装置です。USBケーブルなどを使用して録画機能付きテレビに接続することで、番組の録画・再生ができるという仕組みになっています。
HDD内蔵テレビは、ハードディスクがあらかじめテレビに内蔵されているため、Blu-rayレコーダーやDVDレコーダー、外付けHDDなどの録画機器を購入せずに、テレビ単体で番組を録画することができます。
では、HDD内蔵テレビにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
HDD内蔵テレビは、セッティングが比較的簡単なのが特徴です。
別途でレコーダーや外付けHDDを使用する場合は、テレビを設置後に後付けでセッティングする必要がありますが、HDD内蔵テレビはテレビ本体を設置するだけなので、比較的設置の手間が少ないでしょう。ケーブルの接続や初期設定などの作業に不慣れな方におすすめです。
HDD内蔵テレビは、外付けの録画機器を使用する場合と比べて、テレビを設置する場所の自由度が高いといえます。
外付けHDDには、大容量タイプの「据え置き型」とコンパクトタイプの「ポータブル型」の2種類があります。とくに据え置き型はサイズが大きく、設置するにはある程度のスペースを要します。
その点、HDD内蔵テレビはテレビ本体のみなので、設置できる場所の幅が広がるでしょう。そのため一人暮らしで部屋が狭いという方や、ミニマリストの方にもおすすめです。
また、ケーブルが少ないため絡まりにくく、掃除がしやすいというメリットもあります。
HDD内蔵テレビは、番組の視聴から録画までのすべての操作がリモコンひとつで完了する製品もあります。
録画用など複数のリモコンがあると部屋が散らかってしまう可能性がありますが、リモコンがひとつですむため管理しやすいという点がメリットです。
また、録画などの操作を比較的スムーズに行うことができるという特徴もあります。録画の際に別途でレコーダーを起動させる必要がないため、番組を視聴していたら予期せず好きなアーティストや俳優が出てきたなど、「すぐに録画したい!」という時に便利です。
さまざまなメリットがあるHDD内蔵テレビですが、懸念されるポイントもあります。購入後に後悔しないために確認しておきましょう。
レコーダーのように外付けのものなら、レコーダーが故障してもテレビ視聴に支障をきたす心配はほとんどありません。レコーダーを修理している間もテレビを視聴することができ、新しいレコーダーと取り換えることもできます。
しかし、HDD内蔵テレビの場合は、録画機能に不具合が生じるとテレビ本体を修理に出さなくてはいけない製品もあります。そのためテレビの使用頻度が高い方は、万が一のことも考慮して選ぶことが大切です。
ここではHDD内蔵テレビを選ぶ際にチェックしておくべきポイントを5つご紹介します。
何時間分の番組を録画できるかは、内蔵されているHDDの容量とテレビの画質で決まります。高画質であるほど必要な容量も増えるため、録画する頻度だけでなく、よく視聴するチャンネルも考慮して選ぶとよいでしょう。
地上デジタル放送の場合、500GBの容量で約63時間、1TBで約127時間の番組を録画することができます。録画した番組をまとめて観るような方や、お気に入りの番組を残しておきたい方などは、1TB以上を選ぶのがおすすめです。
一方、4K放送は画質が高い分、多くの容量を必要とします。フルハイビジョンと比較して約4倍の解像度を誇る4Kは、1TBの容量で約64時間、2TBで約128時間の録画が可能です。そのため4Kコンテンツを視聴する機会が多い方は、2TB以上を選ぶのがおすすめです。
なお、録画可能時間は製品ごとに異なるため、購入前に確認しましょう。
チューナー数は、同時に視聴・録画できる番組の数を表しています。たとえばダブルチューナーの場合、リアルタイムで番組を視聴しながら、別の番組を録画することが可能です。
注意したいのが、チューナーを後から増設することはできないということです。「複数の番組を同時に録画したい」という方は、あらかじめチューナー数が多いテレビを選ぶのがおすすめです。
なお、4Kコンテンツを録画するには4Kチューナーが内蔵されている必要があります。チューナー数のほか、どの放送に対応しているかも確認しておきましょう。
HDD内蔵テレビには、Blu-rayレコーダーが内蔵されているタイプもあります。
一般的なレコーダーの機能が搭載されており、レンタルしたBlu-ray・DVDを再生するほか、録画した番組をディスクに保存することが可能です。残したい番組をディスクに保存することで、限られた録画容量を最大限に活かすことができるでしょう。
また、ディスクに保存した録画データはほかのテレビでも再生可能なため、将来的にテレビを買い替える時や、万が一テレビが故障してしまった場合も安心です。
HDD内蔵テレビには、インターネット機能を有しているタイプもあります。インターネットに接続すれば、YouTubeやVOD(ビデオ・オン・デマンド)と呼ばれる動画配信サービスをテレビの画面で楽しむことができます。
機種によってはリモコンに専用ボタンが設けられていたり、画質補正効果によりネット動画を4Kの高画質で視聴できたりする製品もあるため、気になる方はチェックしてみましょう。
テレビ選びにおける重要なポイントのひとつがサイズです。画面サイズの大きさに比例して映像の迫力も増すため、スポーツ観戦や映画鑑賞には大画面のテレビがおすすめです。
ただし、テレビを視聴する際には最適な視聴距離があり、サイズだけを重視して選んでしまうと、映像の美しさが損なわれることがあるため注意しなくてはなりません。
最適な視聴距離はテレビ画面のサイズと画質で変わります。フルハイビジョンの場合、「画面の高さ×約3倍」が最適な視聴距離とされています。たとえば40V型なら約150cm、55V型なら約200cmの距離を確保しましょう。適切な視聴距離を確保せずにテレビの画面を見ると、画像の粗さが目立ちやすくなってしまいます。
一方で4Kの場合、「画面の高さ×約1.5倍」が最適な視聴距離とされています。たとえば40V型なら約75cm、55V型なら約100cmが目安で、フルハイビジョンよりも適切な視聴距離が短いのが特徴です。
※視聴距離には、個人差があります。
一口にテレビと言っても、メーカーごとにこだわりや特徴があります。テレビ選びの際にぜひ参考にしてみてください。なお、こちらに掲載されている内容は、2022年1月時点の情報です。製品によって搭載されている機能は異なりますのでご了承ください。
TVS REGZAの人気シリーズ「レグザ」は、精細で質の高い映像にこだわっています。
「おまかせAIピクチャー」が搭載されている機種であれば、色温度センサーによって視聴環境をリアルタイムに検出し、適切な画質に自動調整してくれます。さらに映画やスポーツなどの視聴しているコンテンツの種類も自動で判別し、いつでも高画質な映像を楽しむことができます。
また、「地デジAIビューティーPRO」が搭載されている製品では、シーンごとにあらわれるノイズを検知し低減してくれるのが特徴です。超解像処理により地デジの2K映像を4K解像度に変換し、より美しい映像を実現しています。
テレビを視聴しているとき、画面に照明の光が映り込んで見づらいという経験をしたことがある方もいらっしゃるでしょう。シャープの一部モデルには、外光や照明の映り込みを抑える「低反射パネル」が採用されており、明るいリビングでも見やすい4K映像を実現しています。
また、「リッチカラーテクノロジー」という地デジ放送で使用される色域(ITU-R BT.709)を超える広色域技術を搭載した機種もあります。8K液晶テレビ向けに開発した色再現回路を4K液晶テレビに応用しているため、高い色彩表現力が特徴です。
パナソニックの人気シリーズには「ビエラ」があげられます。
ビエラ製品の中には、画質の調整にAI(人工知能)を用いた「オートAI画質」が採用されているものがあります。放送や映画など100万を超える映像のシーンから構成される学習用データベースをAIが学習し、シーンに応じて自動的に最適な画質に調整することを可能にしています。
さらに一部の機種は、映画館でも採用されている立体音響技術「ドルビーアトモス」に対応しています。テレビ本体のスピーカーだけで、上下左右から音に包まれるような臨場感のあるサウンドを体感することができます。
ソニーは、「ブラビア」シリーズが人気のメーカーです。
ブラビアには、超解像エンジンの「4K X-Reality PRO(4K エックス リアリティー プロ)」を搭載している製品があり、高精細な映像を楽しむことができます。また、HDR信号に対応している製品であれば、明るい部分の色味や暗い部分の階調も再現し、奥行き感や立体感のある映像を実現しているのが特徴です。
さらにソニーは音響にもこだわっており、認知特性プロセッサー「XR」を搭載している製品があります。テレビのスピーカーが、左右方向だけでなく高さ方向も加えた3次元の立体音響を実現するため、臨場感のある音響を楽しむことができるでしょう。
山善のテレビには「LED直下型バックライト方式」の日本設計メインボードが搭載されている製品があります。LED直下型バックライトは、パネル全体にLEDライトが配置されており、両端にのみLEDライトを配置するエッジ型と比べて、画面全体の輝度と表現力が高まるという魅力があります。
より鮮明な映像を楽しみたいのであれば、テレビの応答速度にも注目してみましょう。応答速度とは、画面上のドットの色が変化するスピードを表しており、速度が速いほど滑らかな映像になります。山善の一部機種には、素早い応答速度でスムーズな映像を実現したものもあり、動きの多いスポーツ観戦などにおすすめです。
HDD内蔵テレビの最大の魅力は、テレビ単体で番組の視聴から録画まで対応できることです。基本的には、別途でレコーダーや外付けHDDを使用する必要がないため、省スペースで設置したいという場合にもおすすめです。
今回の記事では、各メーカーの特徴やおすすめの製品もご紹介しているので、ぜひテレビ選びの参考にしてみてください。